妹達との日々をもう一度(長編)

□第13話「砕け散ったガラス」
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次の日…劇場のステージ上でチームKが練習を行っていた…



その練習風景を眺める青年がいる…そう…宗司である…



宗司「…(みいちゃんもともちんも歌が上手くなったな)…」



余談だが宗司は今ほんの少ししか気配を発していない



理由は1つ…宗司は練習の邪魔にならないようにと
必要最低限の気配しか出していないのである…



恐らく普通の人が宗司の方を向けば…目で確認する事ができず…
小動物の気配がする位にしか感じないはずだ…



そんな中…宗司を"人"として確認できる人物が居た…



チームKキャプテン 秋元 才加である…



※秋元さんと被るので名前表示※



才加「…(あそこに立ってる人は誰?)…」



才加は合気道2段である…古武術の有段者なら…宗司を人だと確認できるのだろう…



才加「…(でも…この感じ"人"の気配じゃない)…」



そんな才加の視線に…宗司も気付く…



宗司「…(あの娘…俺の姿が見えてるな…古武術の段持ちと見た)…」



才加「…(まさか…幽霊じゃないよね?…手…振って見ようかな)…」



才加は宗司に手を振ってみる…



宗司「…(えらい引き攣った顔で手を振ってるな…まあ頭くらい下げておくか)…」



宗司はそう思い…軽く会釈をする…
だが幽霊だと思っている才加の顔は余計に引き攣る…



才加は幽霊だと確信して悲鳴を上げようとした時である…
"人らしき者"に戸賀崎さんが来て話しかけ出したのだ…



戸賀崎「お前は…必要最低限の気配で何してんだ?」


宗司「んにゃ意味は無いですよ…ただ邪魔しないように
   練習風景を見ているだけです…それよりも…あの娘なんですが…」



そう言い…才加の方を指差す…



才加「…(私?…戸賀崎さんの知り合い?)…」


戸賀崎「秋元がどうかしたのか?」


宗司「俺の気配を感知して…人として見えてるみたいですね」


戸賀崎「…思い出した…秋元は確か…合気道2段のはずだ…」


宗司「ただの合気道じゃ見抜ける訳は無い…彼女の出身地は?」


戸賀崎「確か千葉だ」


宗司「千葉…水戸藩の分家…佐倉藩の譜代大名筋の古武術だな」


戸賀崎「…お前と一緒の系統じゃないか…てかそろそろ…気配出せよ…」



戸賀崎さんに言われ…宗司が本来の気配を出す…



才加「っ!?佐江ちょっと!」


宮澤「ん?どうした?」


才加「…あの人見える?」


宮澤「ん?あ〜戸賀崎さんと宗司さんじゃん!」


才加「佐江の知り合い?」


宮澤「佐江のって言うか…新しいスタッフさんだよ」


才加「…新しいスタッフ…」


宮澤「そっ!新しいボイトレの先生でたかみなとか珠理奈の声を作った人だってさ」



才加は何かが引っかかった…珠理奈はともかく"たかみなの声を作った人"と佐江は言った…



私と佐江は2期生だ…でも彼は1度も見た事が無い…となると…1期生の時代に教えた事になる…



…才加の中で昔、偶然聞いてしまった1期生の会話が蘇る…



完全に聞き取れた訳じゃないが…明らかに異常な会話だったのを覚えている…



キーワードは「宗さん」「殺した」「罪」「水夏」の4つ…



才加は…1期生が本心で笑っていないのも知っている



そして…1年に1度だけ1期生が落ち込む所も何度も見ている…



1期生が誰かを殺す訳が無い…となると…



才加「…(まさか…"宗さん"が"水夏"を"殺した"事が"罪"って事なんじゃ)…」



そして遂に…才加の中に"間違った真相"出来上がってしまう…



才加「…(それじゃあ…アイツが1期生から笑顔を奪った張本人!?)…」


宮澤「才加?」



その時…優子が佐江を呼ぶ



大島「佐江ちゃん!ちょっと来て〜」


宮澤「は〜い!今行く〜!んじゃちょっと行って来るね!」



佐江は優子の方に走って行った…

 
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