妹達との日々をもう一度(長編)

□第12話「6年前の名古屋 後編」
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珠理奈「…あ…思い出しました…」


玲奈「どうしたの?」


珠理奈「宗兄に助けて貰った時…同じ場所に有華さん居ました」


宮澤「うそ!?」


宗司「…誰?」



珠理奈が携帯電話の待ち受けを宗司に見せる…
写っているのは珠理奈・佐江・ゆかちんの3人である…



宗司「こっちに写ってるのは…そこの娘だよね?」



宗司は佐江を指差し、珠理奈が頷く



宗司「…で…こっちの娘は…あ…」



宗司は思い出したようである…



宗司「思い出した…馬鹿どもに捕まりながらも
   両手でたこ焼き死守してた娘だ…この娘もAKB48の?」


戸賀崎「お前は…どこへ行っても俺らと共にあるっぽいな…
    彼女は「2期生の増田有華」だ」


宮澤「…思い出した…2週間くらい前に名古屋で
   格好良い人に助けられたってメール来た気がする…」


宗司「それは裕也の事だな…あいつは良い面構えだからな…」


全員「……」


宗司「…何故に黙る?…」



…全員は思う…この「宗司と言う名の城」を陥落させるのは困難だと…



戸賀崎「てか尾張んとこの分家も居たのか?」


宗司「元々、先に裕也が助けに入ってたんだ」




※2週間前の名古屋市の街中※



宗司「確か…この辺の小道を曲がったとこに店があったはずなんだがな…」



この日、宗司はお茶専門店を探していた



地図を持っているのにも関わらず迷っていた…
ちなみに宗司は…方向音痴である…



宗司「あった!この小道のは「てめぇ殺すぞ!」…ずだ?」



小道に入ると数人の男達と2人の女の子が目に入る…



宗司「…俺の行く場所ってトラブル多いな…まあ放っては置けんか…って…
   あれは…珠理奈に裕也…知り合いなのか?…」



そう言い宗司は近くに歩いて行った…



宗司「よぅ〜珠理奈に裕也〜お前ら知り合いだったのか〜?」


珠理奈「宗兄!?」


裕也「聖師範!?」


馬鹿「今度は誰だ!?」



突然の宗司の訪問に驚く2人…と馬鹿たち…



宗司「その反応だと…知り合いじゃないっぽいな…」



裕也「そうです…実は…この娘とあっちの娘が絡まれてたんで
   助けに入ったんですが…片方を人質に取られまして…」



見ると両手にたこ焼きを持っている娘がナイフを突きつけられていた…



良く見ると両目に涙を溜めているのが確認できる…



ブチッ  宗司の中で何かが切れた…そして…


宗司「…裕也…お前…素人…しかも…たった8人も始末出来んのか?」


馬鹿「何だと!てめぇな「…黙れ…」っ!?」



宗司の体から鬼気が溢れ…とてつもないプレッシャーが辺りを包み込む…



珠理奈「っ!?…(この人は誰?…物凄く怖い…いつもの優しい宗兄じゃない…)」


裕也「…申し訳ありません…」


宗司「お前は…"加速系"は使えないのか?…」


裕也「…まだ伝授されてません…」


宗司「…忠孝に話して置くから早急に覚えろ…あれば…こんな茶番すぐ終わる…」



そう言い残し宗司は馬鹿どもの方を向く…



宗司「…貴様等…得物出してんだ…覚悟は出来てんだろうな?…
   女は守るもんだ…泣かして良いもんじゃねえんだよ…」



物凄く低い声だ…宗司が喋る為に周りの温度が下がるのが判る…



馬鹿「っ!?…1歩でも動いて見ろ!刺すからな!」



そう言い…たこ焼き娘にナイフを近付ける…



増田「ひっ!?「…迅雷…」えっ…」



一瞬の出来事である…結構な距離が離れていたのに…
宗司が呟いた瞬間…ゆかちんの目の前に宗司が現れたのだ…



馬鹿「なっ!?いつのま「バガンッ!?」ぎゃ!?」



宗司の蹴りが…馬鹿の頭を捉える…そして…



宗司「ちょいと抱き抱えるけど…ごめんな…」



そう言い残し…ゆかちんを抱え…瞬時に元の場所に戻る…



珠理奈もゆかちんも何が起こったか理解出来ていないようだ…



裕也「…さすが…お見事…「…おい裕也…」っ!?」


宗司「…言って置くがな…この娘に傷付いてたら…お前も一緒に殺してるぞ?」


裕也「…すみません…」


宗司「さて…よう…大丈夫だったか?」



宗司は女の子に話しかける…


そんな問い掛けにゆかちんは自分の置かれている状況に焦る…
どうやら…「お姫様だっこ」状態らしい…


増田「だっだいじょうぶです!…出来れば降ろして頂けると…」


宗司「…あっ…ごめんね…珠理奈この娘を頼むぞ…」



宗司はゆっくり降ろすと珠理奈にそう告げる…



宗司「…さて裕也…枷が無くなったんだ…殺るぞ…」


裕也「…御供します…」



その後は…と言うより一瞬の出来事である…



数秒の間に馬鹿どもは地に伏せる事になったのだから…

 
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