妹達との日々をもう一度(長編)

□第11話「6年前の名古屋 前編」
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ガチャリッ



宗司「そろそろ20分位ですよね?…」



宗司が戻って来たようだ


宗司「ところで秋元さん…」


秋元「ん?どうした?」


宗司「この娘らに…変な事吹き込んだんじゃないでしょうね?」



全員が思う…何でこういう時だけは感が良いのだろう…と…



戸賀崎「細かい事気にすんな…少なくとも宗に被害が行く話しじゃね〜よ」


宗司「…だと良いんですがね…さてと…どこまで話したっけ?」


戸賀崎「尾張に行った事までだな」


宗司「そうだった…」




※6年前の名古屋にあるとある道場※(メンバーには一部修正して話してます)



武家屋敷の道場前にバンダナを巻く和装の男が1人…そう…宗司である



宗司「ふ〜やっと着いた…忠孝の奴…元気してっかな…」



宗司は手拭いで汗を拭き、道場入ろうとした瞬間…声をかけられた…



???「そこの御仁…待たせよ…」



宗司が振り向くと…胴着を着た青年が1人…恐らく門下生だろう…



門下生「…失礼ですが…道場への来訪者の入場は禁止になっています…
    玄関の方に回られよ…」



宗司は思う…こいつ…なかなか強者だと…少し挑発してみるか…



宗司「…そいつは申し訳ない…が…用があるので…通らせて貰う…」


門下生「…御仁…場合によっては…怪我じゃすまないぞ…」


宗司「…貴殿如きじゃ…止められな「シュンッ」…」



バシッ



…宗司の顔面に蹴りが飛ぶ…が…防がれる…




宗司「…ふん…この程度の蹴りか…だがしかし…
   貴殿は…自分と相手の実力の違いも…判らんのか?
   …忠孝の奴め…何を教えてんだ?」



門下生の目が見開かれた



宗司「…社会勉強だ…少しだけ実力差を見せてやる…」



次の瞬間…宗司から鬼気が溢れ出す…



宗司「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


門下生「…っ!?…(馬鹿な!当主より上だとっ!?)」


忠孝「…そこまでだ!」


門下生「当主!」


忠孝「…お前は…人んちの道場前で何してんだ?…道影…」


宗司「…いや…最近の若者にしちゃ中々の強者だったんで煽ってみただけだ」


忠孝「まだ甘いが…中々だろ?ちなみに裕也はうちの分家だ」


宗司「…なるほど…」


裕也「…当主の御友人ですか?」


忠孝「道影…名乗ってやれ…正規の名乗りで…」


宗司「ふむ…我こそは…水戸藩主 四番隊 隠密「狼牙衆」七代目当主 聖 宗司 道影だ…」


裕也「徳川御三家の!?」


忠孝「…歴代最強の強者だ…ちなみに…俺でも勝てん…」


裕也「っ!?…」


忠孝「…で?…お前は確か東京にいたはず…何しに来たんだ?」


宗司「…しばらく…置いて貰えんか相談に来た…」


忠孝「…訳有りみて〜だな…まあ良い…好きなだけ居てくれて良いぞ?」


宗司「…相変わらず…思い切りが良いな…」


忠孝「宿賃って訳じゃないが…道場の方を手伝ってくれると助かる…
   歴代最強のお前からなら学ぶ事も多いしな…ちなみにバイト料も出すぞ?」


宗司「そいつは非常に助かる」


忠孝「おい!門下生を外の稽古場に集めろ!俺と道影が模擬戦をするから!」


裕也「え?…道場ではなく外ですか?」


忠孝「そうだ…道場は壊したくないからな…
   恐らく…地面が割れる戦いになる…」


裕也「なっ!?」


宗司「ほぉ…本気でって意味で良いのか?」


忠孝「…あぁ…」


裕也「わっわかりました!」



裕也は道場の奥の方に走って言った



宗司「ところで忠孝…俺…一応けが人なんだが…」


忠孝「…んなもん…ハンデにもならんだろう?
   それに…うちのもんに実力見せなきゃならんしな…」


宗司「…判った…」



そう言って2人は稽古場に向かって行った…そして…



忠孝「全員注目!今日から俺と一緒にお前らの指導をする強者だ!」



宗司は一歩前に出て自己紹介を始める…



宗司「今日からここの世話になる…聖 宗司だ…宜しく頼む…」


忠孝「いきなり言われても納得できんと思うので…
   これから行う模擬戦を見て実力を判断しろ!」


宗司「…改めて言うが…良いのか?…お前…負けるぜ?」



ざわっ!? 周りが殺気立つ…



忠孝「…勝てるとは思ってね〜よ…だが尾張には俺に勝てる強者は居ない…
   俺もたまには強者とやらね〜と腕が鈍るってもんさ…」


宗司「…本気でやった場合…実力差を考えると…数分で終わるぜ?」


忠孝「…だろうな…」



周りがざわめく…自分達の当主が「勝てない」と言ったのだから…
そして思う…この御仁は何者なのかと…



忠孝「…さて…やるか…」


宗司「…あぁ…」



2人は中央に並び…そして…名乗る…



忠孝「我こそは…尾張藩主 一番隊 隠密「金鯱衆」七代目当主 近 直哉 忠孝なり!」


宗司「我こそは…水戸藩主 四番隊 隠密「狼牙衆」七代目当主 聖 宗司 道影なり!」



っ!? 周りが騒ぎ出す…彼が歴代最強と言われる聖家の七代目なのだと…



2人「「いざ尋常に勝負!」」

 
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