妹達との日々をもう一度(長編)

□第9話「6年前の事故」
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秋元「まずはどこから話そうか…」


大島「水夏さんて…どんな方だったんですか?」


秋元「そうだな…そこからだな…戸賀崎…写真をみんなに配ってくれ」



戸賀崎さんが電子ロックで厳重にされてる箱を取り出す…
そして中に入っていた写真をメンバーに渡す…



戸賀崎「彼女の名前は聖 水夏…歳は当時15歳そして宗の妹だ」


宮澤「うわっ!?めっちゃ美人!?」


北原「身長が…って言うか足がめっちゃ長いですよ!?」


河西「うそ〜!?この容姿で15歳ですか〜!?」


指原「うわっ…昨日の宗さんと同じ笑顔だ…」



そしてプロジェクターに当時の練習風景が流れる…
発生練習をしているようだ…



水夏「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♪」



柏木「っ!?…凄い…映像なのに…体に音が入ってくる…」


渡辺「…私何かより全然CGみたい…容姿も…声も…ダンスも…」


玲奈「何でだろ…唯の発声練習なのに…目が離せない…」


篠田「昨日と同じだ…体に浸透してくる…」



メンバーが各々感想を述べてる中、秋元さんが話し出した…



秋元「彼女は…世間には公表してない…もう1人の1期生だった…」


渡辺「もう1人居たんですね…ってあれ?だった?」


秋元「…彼女は…「秋元さん」…ん?」


高橋「私とあっちゃんに話させて下さい…」


前田「…事の発端は私とたかみなにあります…」



そう言うと2人はゆっくりと話し出した…



高橋「水夏は…容姿も歌もダンスも性格も何をとっても完璧だった…
   さらに「日本の至宝」って言われるほど注目されてたんだ…」


前田「そして…どんな人からも好かれ頼りになる存在だった…」


高橋「でも一部の1期生が彼女に対して嫉妬し始めた…」


前田「それが私とたかみな…」


高橋「そして…ある練習後に事件は起こってしまった…」



※6年前の劇場舞台上※



舞台の上に残っているのは
水夏・あっちゃん・たかみな・なっちゃんの4人である…


そんな中あっちゃんの怒鳴り声が響き渡る…


前田「たかみな…あんた本当に練習してんの!?
   何で何度も…同じ所で…ミスするのよっ!?」


高橋「っ!?…ごめん…」


前田「やる気がないなら…邪魔だから帰って!?」


平嶋「…あっちゃん言い過ぎだよ…たかみなだって必死にやってるんだよ?」


前田「じゃあ何で出来ないのよっ!?」



そんな中…水夏が2人に近づく…



水夏「…2人共焦ったら駄目だよ…オープニングまではまだ時間がある…
   ゆっくり確実に覚えて行こうよ!」



水夏がそう2人の喧嘩を止めようとするが…
何でも出来る彼女に「嫉妬心」を抱く2人には逆効果だったのかも知れない…


高橋「あんた……判んないよ…」


水夏「…えっ?」


高橋「あんたなんかに…私の気持ちなんか判んないって言ったのよ!?」


前田「…何をやらせても瞬時に覚えてしまう…
   あなたなら余裕で覚えれるでしょうね!?」


水夏「そんな…私は…そういうつもり言ったんじゃ…」



パンッ!?パンッ!?



なっちゃんが2人に平手打ちをした…



平嶋「2人共言って良い事と悪い事があるよ!?」



そしてあっちゃん・たかみな・なっちゃんの喧嘩が勃発してしまったのだ



このままでは駄目だ…オープニング前にみんなは分裂してしまう…
水夏は止めに走った…



水夏「私の事は何を言われても良い…だから喧嘩は止めて!?」


高橋「何でも出来る優等生は…関わって来ないで!?」


前田「その態度が気に入らないって言ってるのよ!?」



ドンッ!?



水夏はあっちゃんとたかみなの振り払いによって弾き飛ばされた…



水夏「…えっ?」



どすんっ!?



水夏は舞台から足を踏み外し…下に落ちてしまった…



平嶋「っ!?水夏っ!?」


水夏「………」


平嶋「っ!?頭から…血が出てる…2人共救急車呼んで!?」



なっちゃんは2人に指示を出すが動く気配がない…
呆然としている…



平嶋「っ!?…2人は水夏を!私が呼んでくる!」



なっちゃんはそう叫び走り去って行った…
沈黙が辺りを包み込む…



ばっ!?



急に動き出し…2人は水夏に駆け寄った…



高橋「水夏!目を覚まして!水夏!」


前田「私…何て事を…」


戸賀崎「水夏!」



戸賀崎さんがなっちゃんの報告を受け飛び込んできた…



戸賀崎「高橋!?揺らすな!?楽屋に行って毛布持って来い!?
    前田は水と手拭い持って来い!?」


前田・高橋「っ!?はいっ!」



そうして数分後に水夏は病院に搬送された…



※回想終了※



周りは静まり返っている…



高城「…じゃあ水夏さんが亡くなった原因って…」


大島「…メンバー内の喧嘩が原因って事?」



あっちゃんとたかみなが涙を流しながら頷く…
その時会議室のドアがノックされた…
みんなの視線がドアに集まる



戸賀崎「来たようですね…入って来い…」



入ってきたのはなっちゃんだった…



平嶋「宗さん!」



宗司は無言で頷く…



秋元「さて平嶋も来た事だし続きを話そう…」


平嶋「…どこまで話しましたか?」


戸賀崎「君ら3人の事件までだ…」


平嶋「っ!?…判りました…続けて下さい…」


なっちゃんがイスに座り…話は続けられた…

 
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