妹達との日々をもう一度(長編)

□第8話「職場復帰」
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次の日のAKB48劇場内社長室
そこには秋元さん・戸賀崎さん・宗司の3人が居た



秋元「お帰り宗司君!まさか本当に戻って来てくれるとは思わなかったよ!」


宗司「はぁ……このタヌキは…脅したくせに…」



宗司は深い溜息をつく



戸賀崎「そういうな…6年も連絡よこさんお前も悪い」


宗司「しかも行動が恐ろしく早いし…」



宗司が呆れるのも無理は無い…



秋元さんが宗司の存在に気付いたのが4日前



珠理奈が話してしまったのが3日前



そして秋元さんが宗司を捕獲したのが2日前である…



秋元「あの娘はダンスは得意だが、歌がもうちょいだったからね〜
  「腕利きのボイトレ」とやらに頼んで正解だったよw」


宗司「・・・俺も嫌な予感したんだ・・・センターポジションだってんで
   所属を聞けば「SEK48」だし…しまいにゃ社長が秋元さんの後輩とは…」


秋元「トレーナーの名前聞いたら外部に名前を洩らさない条件
   で入社したって言うから気になってたんだよ」


宗司「…まさか珠理に直接聞きに来るとは思わなかった…」


戸賀崎「…ん?彼女の名前は珠理奈だぞ?」


宗司「知ってますよ…理由は判らんけど「他の人と違った呼び方」
   との希望だったんで「珠理」って呼んでます」


秋元「さて世間話はここまでにして…本題に移ろうか?」



周りに緊張感が張り詰める…



秋元「宗司君…申し訳…なかった…」



秋元さんが頭を下げる…それに続いて戸賀崎さんも下げた…



宗司「…秋元さん達が頭を下げる必要はないでしょう?
   真実を隠し…その罪を被る事を提案したのは俺自身です…」


秋元「それもあるが…1番の謝罪は宗司君の
   内部に気付いてやれなかった事だ…」


宗司「それは俺が弱かった…ただそれだけの事ですよ…」


戸賀崎「そんな状況にしてしまった俺達に非があると言ってるんだ!
    事故で両親を失い…たった2人で頑張ってきたのに…
    妹の突然の死…しかも…1期生の未来を守り自分が罪を被るなど…
    19歳に耐えられる状況じゃない!」


秋元「…しかも何も知らない連中からの罵声…私だって逃げたくなる…」


宗司「…確かに孤独感に耐えられなくなったのは事実です…
   ただそれ以上に…当事者と知らない1期生の間で…
   俺への接し方で揉め事が起こったからです…
   あのままなら1期生はバラバラになってしまう…
   だから俺は辞職する決意をしたんですよ…」


戸賀崎「…何故…そこまでして…俺達を守る!?」



戸賀崎さんと秋元さんが同時にこっちを見た…



宗司「何故?そんな事は決まっている…
   あいつが…水夏が貴方達を好きだったからだ!?
   あいつは最後に「みんなをお願い」と言った…
   あいつの「想い」をこんな形で終わらせる訳には行かないから…」



宗司は普段見せない涙を見せている…



秋元「…すまなかった…馬鹿な事を聞いてしまったね…
   ただ今度から消える前に私達に相談して欲しい…」


戸賀崎「…その通りだ…俺達だってあの娘らを今日まで守って来たのだから…」


宗司「…はい…了解…しました…」

 
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