妹達との日々をもう一度(長編)
□第19話「スペシャリスト」
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一方その頃…宗司はと言うと…
宗司「…う〜ん…」
…まだ音声収録室で歌と振り付けを煮詰めていた…そこへ…
ピィーガガジジピー
宗司「ん?放送?」
秋元「あーあー宗司君そろそろ仕事の時間だぞ」
宗司「ぬ?…秋元さんいつの間に…全然気づかなかったな…
時間は…げ…15:35か…熱中しすぎたな…」
宗司はそう呟くと収録室を出る
秋元「やぁ宗司君久しぶりに良い物聞かせて貰ったよ」
宗司「何時来たんです?」
秋元「"桜の木になろう"を歌う前かな…」
宗司「全然気づかなかった…集中しすぎる癖直さないと…万が一の時死ぬな…」
秋元「…宗司君…この日本でそんな状況にはならんと思うが…」
宗司「…日本でテロが起こる可能性は0%じゃないですよ?」
秋元「まぁそうなんだがね…それはそうとビルのオーナーから連絡あったぞ?
来て早々申し訳ないね助かったよ」
宗司「構いませんよ?警備員を引き受けた以上俺の仕事ですし」
秋元「それでオーナーから他のフロアも調べて欲しいと依頼が来てるんだがどうする?
もちろん依頼料も払うと言って来ている」
宗司「もちろんやりますよ」
秋元「…えらくあっさり決めたね?」
宗司「他のフロアも強化出来ればより一層このフロアへの進入は困難になりますからね
うちの収入にもなるし一石二鳥ですしね」
秋元「…うち?宗司君の収入だろう?」
宗司「別に金に困ってる訳でもないし俺は規定の給料貰えればそれで良い…
確かたかみなが楽屋のロッカーの閉まりが悪いって言ってたし劇場の備品にあてて下さいな」
秋元「…何を言っても聞かないだろうし備品にあてる事にするか…おっとそうだ…
公演後の歌披露にチームK全員も聞かせるからな?」
宗司「なっ!?聞いてませんよ!?」
秋元「それはそうだろ今言ったばかりだからな…彼女達には表現力を学んで欲しいんだ…」
宗司「はぁ…秋元さんも何を言っても聞かんだろうし…了解しました…」
秋元「…いつもすまないな…宜しく頼む…」
宗司「もう慣れましたよ…さて俺は仕事に行って来ますよ〜」
秋元「いってらっしゃい」
そして2人は各自仕事に向かった…そして数分後…
スA「宗司君はここに立って居てくれれば良い」
スC「たまにだが強行突破しようとするアホが居たり
客同士の喧嘩などを取り締まって欲しい」
スB「あと戸賀崎さんから許可出てるから歌覚える用のipod聞いてて良いそうだよ」
宗司「そいつは助かるな…まだもう少し煮詰めたいと思っていたから」
スD「じゃあ後は頼む…何か質問があるならカウンターに来てくれ」
宗司「了解です!」
そしてスタッフ達は持ち場に戻って行った
宗司「さて…集中力を索敵に70%…残り30%を歌を覚える事に使うか…
"達人級"が来なければ、この分配で大丈夫なはずだ…」
そう呟くと持ち場に着いた…が…
宗司は何時も通りの服を着ている…その為か異常なまでに目立っていた…
宗司の普段着は基本的に和服である
6年前もそうだったので劇場関係者は一切違和感を感じていない
だが洋風な作りの劇場内で和服は非常に目立つのである
そんな中…購入待ちをしている客が宗司の存在に気づいた…
古参D「…あそこの人…何者だ?他のスタッフさんとは違う服装だ…何故に和服?」
古参A「…腕についてる腕章に"警備員"って書いてあるし
他のスタッフさんとも話してたし関係者なのは間違いないが…」
古参C「…にしても何だろう…このプレッシャーって言うのか?
あの出入口に近づいたら"危ない"って気がするぞ…」
そんな事を呟いていると、もう1人の常連客が来た
古参B「よ〜久しぶりお前らも当選したのか?って青い顔してどうした?」
古参D「こんちゃ…いやあそこに居る新しい警備員の話をしてたんだ…」
古参B「新しい警備員?」
古参Bは宗司の方を向く…すると…
古参B「なっ!?何でここに!?」
古参A「っ!?何!?知ってんの!?」
古参B「何で"月夜の守護者"がこんな所に…」
古参D「何?有名人なん?」
古参B「そっかお前らはSKEには興味ないんだったな…あの人は名古屋では超有名人だ…
名古屋に"スタジオ 月光"って言う音楽事務所があるんだがそこのスタッフだったんだ」
古参A「さっきの"月夜の守護者"ってのは?」
古参B「あの人についた"異名"だよ…音楽事務所にはマナーの悪いファンや私物を盗もうとする犯罪者は
付き物だ…だがあの人が勤め始めてからその問題が一切無くなったそうだ…そしてマナーの良い
ファンはあの人の事を"スタジオ 月光の最強ストッパー 月夜の守護者"と呼ぶ様になったんだ…」
古参C「すげーなそれ…ってどこ行く?」
古参B「俺はあの人と話した事あるからな…何でAKBの劇場にいるか聞いてくる…」
そう言うと古参Bは宗司の方に歩いて行く…他の3人も気になるのか付いて行った…