D I N O
□initiative.(ディノヒバディノ)
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12:00p.m.並盛中応接室
「恭弥ーっ!」
いつもの如く明るい叫び声が部屋じゅうにこだまする。
「…暇な人だね…イタリアにゴールデンウイークなんかないのに日本に来るなんて…」
「別にいーじゃねーか。どうせ休みなんだろ?」
「全く…僕は仕事中なんだよ。用もないのに学校に来ないでくれる…?」
部屋の主はちらっと客人に目を向けただけで、すぐに手元の書類に戻ってしまう。
「でも今日は…」
「黙って。毎回クレームがくるんだ…風紀委員の使う応接室に金髪の男が入っていくのをよく見かけるってね。客も頻繁に来るようになったら、ただの不審者だよ…。」
「誰が不審者だ…」
「ほらさっさと帰ってくれる?僕は忙しいの…休日返上で仕事をするほどね…」
鋭く睨むがそれは年上の男には通用しないようで、うまくかわされてしまう。
それを機に金髪の男も反撃に出る。
「そんなこと言って…どうせ今日学校にいる口実だろ。」
「…っ…僕が学校にいるのが好きだとでも言いたいの?」
「違うのか?」
「間違っては、いないけどね…。」
的を射た質問に少年は言葉をなくした。
それを傍目に青年はさらに核心をつくかのように、追い討ちをかけていく。