D I N O
□笑顔。(ディノヒバ)
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僕の全てを、突然現れたコイツが狂わせた。
「いいか…っ、恭弥…っ」
何だか知らないけど、いきなり僕の前にやってきた。
だから初めは喧嘩を売ってきたように感じたんだ。
今まで来たのは、そんな奴ばっかだったから。
「あっ…やっ…」
会ってから間もなく、ずっと実戦ばっかりだった。
相手のことを考えず、ただ目の前の敵を倒すことのみを目的とした、戦い。
このイタリア人はなかなか強くて、気を抜くとこちらが負けてしまいそうになる。
背も技もトップとしての器量も、何もかもが自分より上の相手。
そんな奴とこうして愛欲に耽るとは、僕すらも想像していなかった。
だって人にこんなに執着されるなんて初めてだったから…。