STAY_
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「これって…」
「何で…?」
「こんなの意味わかんねぇよ!」
朝、昇降口の掲示板にいつもは無い人だかりが出来ていた。
貼られている内容に、誰もが驚きと動揺を口にしている。それは、慈郎、滝、宍戸も同じだった。
「忍足が朝練に来なかったのはこれが原因かよ…!」
苦虫を噛み潰したような顔で宍戸はソレを破るように剥がした。
「マジで意味が分かんねぇよ!」
「落ち着いて、宍戸」
「これが落ち着いていられっかよ!滝!」
「ここで騒いでも何にもならないだろう?」
「…くそっ」
不意に周囲が静まり返った事に、3人が視線を動かすと、丁度職員室から芳朋と忍足が出てきた所だった。
「芳朋!忍足!」
「おう、おはよう。慈郎、滝、宍戸」
「暢気に挨拶してる場合じゃないよ〜!」
「一体どういう事なの?」
「何があったんだ?!」
「まぁ、知っての通りやな」
矢継ぎ早に聞いてくる3人に忍足は苦笑いを浮かべる。
「何で停学なんて…」
掲示板に貼られた通達。それは芳朋と忍足を1週間の停学処分にする内容だった。
「…跡部なの?」
「かもな。でも、校長と理事長も噛んでそうだ。何せ跡部家はこの学校に多額の寄附をしているからな。辞められでもしたら死活問題だ。だったら俺達を処分をしたって言う事で保険をかけたんだろう」
「そんなのおかしいだろ!?こうなったのは跡部達自身の責任だ!」
「まぁ、出てしまったモンはしゃあない。一週間ゆっくり休むわ」
「俺も〜」
「芳朋!忍足!」
「じゃあ、俺等は帰るから。滝、部の方頼むで」
「学校頑張れよ〜」
あまりに淡々としている2人に3人を始め、見ていた生徒達は呆然と佇んでいた。
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