先生の日常観察_

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越前から逃げて、俺を呼んだ丸井の元へ行くと、大勢が上を見上げていた。
あ、写真か。ロビーの壁にはズラっと写真が並んでいる。


「これって歴代の写真だろぃ?」

「そうだな。利用したら集合写真撮るのが恒例だからな」

「もしかして黒峰先生の写真もある!?」

「あぁ、あるな」

「何処だ!?」

「年号的にこの辺りだろう」


柳の言葉に部員達は一斉にそちらに足を向ける。そんなに面白いモンじゃないと思うけど…。


「あ!この茶髪のだ!若い!」

「おう」


示された写真は中1の時の物。部活ごとに分類されているから、ここから俺の立海生活が始まる。


「次は………どれ?」

「あの赤い髪だな」

「次は?」

「金髪だな」

「次は?」


茶髪にオレンジメッシュ、銀髪、オレンジ髪と中高6年間を見ていくと最終的に視線が俺に集まる。ちなみに言っておくが、今はちゃんと黒髪に戻している。これも昔を知る奴が見ると笑う要因なんだけどさ…。


「何だよ」

「随分弾けてたんスね…」

「まぁな」


聞き慣れた言葉に溜息をつきながら振り返ると、こちらを見て楽しそうにしている茗子と目が合った。

こんにゃろ…。
絶対に合宿の間中、面白がられるんだろうな…。




【第11話 終】
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