エンジェルシリカ_

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「仁王くん。また授業をサボったそうですね」

「柳生…」


いつものように屋上で那貴と分かれて廊下を歩いとると掛けられた声。
嫌な奴に捕まったのう…。


「何度言ったら分かるんですか?我々学生の本分は勉学です。」

「分かっちょる、分かっちょる」


普段は良いパートナーだが、こういう時の柳生は若干面倒臭い。


「何があったかは聞きませんが、最近浮かれ過ぎなんじゃないですか?」

「浮かれてなんかなか」


鋭い奴じゃ。
伊達にパートナーをやってないのう。
柳生以外の奴は気付いてなんかいないぜよ。


「付き合う方を考えた方がよろしいのではありませんか?」

「おまんにそこまで言われる筋合いは無か」


強めの口調で言う俺に、柳生は肩を竦める。


「きっと後悔しますよ?」


柳生は那貴と俺の事を知らん。だから、那貴の事を言ってるのでは無いと分かっている。
だけど、まるで那貴を否定されたようで腹が立つ。


「仁王くん」

「これ以上口を開くな、柳生。おまんを殴りたく無か…」

「それでは殴られない内に退散しますよ」


余裕そうに笑って行った柳生に舌打ちをひとつ。
聞こえとっても構わん。




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