幸村サンちの事情_

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「何してるの?市香」


笑ってるけど超怖い!絶対零度の笑顔ってコレだよ!


「ト、トイレに行こうかな、と思って…」

「ふうん…トイレに行くのにコートと鞄がいるんだ?」

「ゴメンナサイ」


首ねっこを掴まれて教室へ逆戻り。


「精市、地味に首が絞まってて苦しいんだけど…」

「何?」

「ナンデモナイデス」


怖いよ!!怖すぎる!!


「だから帰る事は出来ないと言ったんですよ」

「気付いてたなら教えてよ、柳生。そしたら別の手段考えたのに」

「お前が精市から逃げられる訳ないと思うが?」

「煩い!弦一郎の老け顔!」

「なっ!?」


真田にあんな事を言えるのはアイツくらいだよな…って声がクラスメイト達から聞こえたけど、老け顔に老け顔って言って何が悪い!


「コラ。サボろうとする市香が悪いんでしょ。真田に八つ当たりしない」

「う〜…」

「じゃあ、またサボらないように見張りを頼んだよ。真田、柳生」

「うむ」

「分かりました」

「弦一郎と柳生の裏切り者〜…」

「学業をするのが学生の勤めだ」

「あなたがサボっても私達は構いませんが、後で困るのは市香さんなんですよ?毎回テスト前に泣きを見ているじゃないですか」

「スミマセン。ちゃんと授業を受けます…」


うう…。何でこの2人と同じ組になったんだろ…。
精市の策略?


「あたしが姉なのに…」


弟の出来が良すぎて姉としての立場がない!






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