Honey Smile_

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「マオ」


隣に腰を下ろすといつもの笑顔では無く、微妙な表情が俺を見た。


「おかえりなさい…」

「ただいま」


これは…拗ねとるんかのう?


「どうしたんじゃ?マオ」

「なにもない」


プイと向こうを見てしまったマオを抱き上げ自分の足に向かい合うように座らせる。
その時に少し抵抗は見せたけど、素直にその場所におさまった。


「何にも無い事ないじゃろ?言ってみんしゃい」


出来るだけ優しい声で言ってやると、顔を俯かせてしまった。


「マオ?」

「……へん?」

「?」


ゆっくりとあげられた顔は辛いのを我慢するように歪んどった。


「まーにぃ、マオの色へん?」

「色?」

「髪とおめめ。みんなへんだって言う」


あぁ、幼稚園で何か言われたんか…。
子供ってのは残酷なくらい素直だから、自分達と違う色をしたマオを違う者と区別したんじゃろうな。


「変じゃなか」

「ほんと?」

「あぁ、俺はマオの綺麗な色が大好きぜよ」


これは慰めでも無く本音。
痛んでいない、光に当たるとキラキラ光る蜂蜜色の髪も大きな目も綺麗だ。
マオの可愛いさを引き立てとる。


「でも…」

「まーにぃの言う事信じられんか?」

「う、ううん!」


少し意地悪を言ってやると弾かれたように首を振って否定した。可愛いのう。





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