08/21の日記

23:29
時間が止まれば良いのに(創作:蝉と蝶)
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茹だるような熱さにくたびれながらも今日も僕は鳴く。

本当は暑いからくたびれてるんじゃない。僕にはもう僅な時間しか残されていない。


「…もう、やめる」
「え?」
そう言ってパタリと鳴き止んだ僕を蝶が見つめる。
「どうした?具合でも悪いのか?」
「それよりさ、聞かせてよ。君の話」
「なんだよ藪からスティックに」
心配そうに蝶が見つめてくる。思えば幼虫の頃からずっとひとりぼっちだった。

「君に会えて良かったよ」
「なっ………どうしたんだよ!?」

誰かと話とのなんて初めてで、誰かとこんなに一緒に居たいなんて思ったのも初めてだ。



ミーン、何処か遠くでずっと聴きたかった返答が聞こえた気がした。

いま、この瞬間で時間が止まれば良いのに。

-続く-

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