04/17の日記

23:51
重ならない影2(蛙軍曹:ゾル→ゼロ?)
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「いいなぁ……」
静まり返っている教室にふいにゼロロの声が響いた。

外の景色を眺めながら呟かれたその言葉に一瞬ゾルルは意識を向けたが直ぐにまた虚空を見つめる作業に戻った。ゾルルにとって休み時間など無駄な時間であり、とくにする事も無く苦痛でしかなかった。


「いい…な…ゴホッ……」
また外を見ながら呟いていたかと思うと今度は咳込みはじめ、ついにはその場にうずくまってしまった。
「ゴホッ…ケフン、ゴホッ」
「…………」
明らかに辛そうな様子のゼロロ。ゾルルは完全に意識をゼロロに向けていたが席についたまま、頬杖をついたまま固まっていた。

どうすれば良いのか分からなかった。駆け寄って声をかければ良いのか?背中をさすってやれば良いのか?誰かを呼んでくれば良いのか…。
ゾルルが悶々と悩んでいるうちに教室のドアが騒々しく開き誰かが入って来た。

「あ〜かくれんぼとかやってられないっしょ!ゲームしよ〜っと………ん?」
大声で独り言を言いながら教室に入ってきた緑の少年はうずくまっているゼロロに気づいたのか彼に近寄っていく。

「ちょっ…!?お前、大丈夫かよ!!?」
「だ、い…じょうぶゴホッゴホッ」
どうみても大丈夫ではないゼロロの様子に少年は先生を呼んで来ると言い残して教室を出て行った。


程なくして担任がやって来てゼロロは保健室へと連れていかれた。
一連の様子を眺めていたゾルルは今までに感じた事のない感情を抱いていた。保健室に連れて行かれる前にゼロロが呟いていた事はまるで自分が呟いている様で嫌だった。

そんな事を考えているうちに休み時間の終了を知らせるチャイムが鳴りはじめぞろぞろと教室に生徒達が戻ってきた。


-To be continue…-

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