サイクロ文

□赤ちゃん
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今日ナナは定期メンテナンスのためにコタローの所…剛の家に来ていた。

「あれ?コタローくんこの子だれ?」
ナナはおんぼろソファーにちょこんと座っている頭にタケコプターをつけたような青くて小さいロボットを指差して言った。
「ああ、ナナちゃんと会うのは初めてだっけ?」
「うん」
「この子は『がんばれミーくん2号』だよ」
ナナの問いにコタローは簡潔に答えた。
「えーとミーくん2号?」
「そっ。簡単に言うとミーくんの分身みたいなものかな。今日は博士の代わりに僕がメンテナンスするんだよ」
「分身?…子供ってこと?」
ナナのまたの質問にコタローは今度は少し首を捻りながら答えた。
「う〜んまあそんな感じなのかな?産んだって言ってたし」
その言葉にナナは驚いた。
「えええ!?産んだの!!?」
「だから僕にもよく分からないんだって、さあそんな事よりメンテナンス!まずは2号からだぞ!」
コタローはそう言いながらひょいとミーくん2号を小さな籠に入れた。ちなみにこの籠、ミーくん2号の頭のカッターでも斬れない特別製だ。コタローが想定した通りミーくん2号は籠の中で暴れているようだが籠はびくともしない。
「じゃあナナちゃんちょっと待っててね〜」
コタローは籠を持って別室に行った。
 パタン
「……赤ちゃんかぁ…」
ドアが閉まると同時にナナが呟いた。
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