short stories[etc…]

□拾いもの(前編)  
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「なんで連れてきてんだよ!!!」

真っ青な空に、盛大なエースの叫びが響いた


さかのぼること3時間前

白ひげ海賊団一行は、とある夏島にやってきていた

エースは、島の下見をするべくみーと一緒に上陸していた

「おい、お前食べ過ぎだぞ。そのくらいにしとけ」

「ん〜?だってこの村のクレープすっっごく美味しいんだもん!あっ、おばさんもう1つください」

「人の言うこと聞けよ!!」

2人仲良く歩いていたとき、ふとみーの足が止まった

「?どーした?」

みーの視線をたどると、“みかん”と大きく書かれた段ボール箱に入った子犬がいた

(イヤな予感……)

エースの予想は見事的中し、みーは目をハートにして、すでに子犬に向かって猛ダッシュしていた

(いつもあんなにトロいみーが…ありえん)

「エースッッ!!早く来て!」

「はいはい、聞こえてますよ」

みーの腕の中には、幼くて、可愛らしいトイ・プードルがいた

「エース!!あの「だめだ」

「なんでー?こんなに可愛いいのに。しかもほら!!これ読んで」

しぶしぶ受け取ってみると、それはこの犬の飼い主らしき人物からだった

『引っ越しするため、犬を飼えなくなりました。躾のできた良い犬です。どなたか飼ってください』

「勝手な…それに"躾のできた良い犬"ってなんだよ」

苦笑いを浮かべるエースにみーは力説した

「この犬、賢いんだよ!ほらお手だってできるし」

みーが、手を差し出すと犬はそっぽを向いてしまった

「…。」

「いや、今のはまぐれだよ!お手できなくったって馬鹿って訳じゃないし」

「誰も馬鹿とは言ってねぇーよ」

「!!じゃ、飼ってもいいの?」

「ダメだ」

「いいじゃん別に。私が世話するから!!」

「ダメって言ったらダメだ」

しばらくこの言い争いが続き、とうとうみーが折れた

「…わかったよ。じゃぁ、この子、もっとあったかい日当たりのいい所に置いてくるからエース先に帰ってて」

「大丈夫なのか?」

「大丈夫、大丈夫。ほら、行った行った!!」

みーは、強引にエースに船へ帰るように言った

みーのことを気にしつつ、エースは帰って行った



エースが行ったのを見届けると、みーは不敵な笑みを浮かべた
 
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