novel
□すべてのはじまり
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3年になって僕らの担任になった先生、
坂田銀八は教師らしかぬことをする人で有名だった
先生のくせに窓ガラスわったり、校長の触覚もぎ取ったり、授業中に煙草吸ったり・・・
と悪い印象だった
だから僕は坂田銀八と言う男が入学当時から苦手だった
だが、担任であるかぎりかかわらなくてはいけない
そしてさらに僕は銀八が担当である国語の係りになってしまった
これから1年大変だ・・・
そう心の中で呟いた
それから僕はパシリのように働かせられた
「ぱっつわん、この書類まとめといてー」
「そんなことぐらい自分でしてください」
そう怒ったそぶりをして言うと
「怒んなよー」
と笑いながら言われた
本来ならバカにしてるのか?
とイライラするところだろう
でも何故か初めての笑い顔に
ああ、この人って笑うんだ、と思った
人が笑うなんてあたりまえのことなのに
なんでそんなことを思ったのだろう
そして僕は怒るのではなくて
一緒につられて笑っていた
そのことをきっかけに
僕はこの人のことを知りたいと思った
そう、それがすべてのはじまりだった
―end―