ライドウ

□貴女しか…。
1ページ/2ページ

貴女のその手


貴女の足


貴女の顔

全てが愛しい。


俺はベッドに寝転がって名無しさんの顔を思い浮かべていた。

彼女しかいらないと思ってしまう、自分に帝都が護れるか不安だった。


名無しさんさえいれば襲名したライドウの名前さえ、いらないと思ってしまう自分が怖かった。


「ゴウト。俺に帝都は護れますか?」

自分のお目付け役の黒猫に尋ねた。

ゴウトは少し考えて

「紡はどうしたい?」

俺にそう尋ねた。


俺は…

名無しさんが住む帝都を護りたい。

彼女の笑顔も


涙も


全て。

「帝都は俺が護ります。」

そう言って立ち上がった。


全て護ってやる。


帝都も、


鳴海探偵社も


そして、名無しさんも。


命を懸けて。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ