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□an inorganic substance
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俺は恋をしている。

しかも男だ。

さらに言えばアンドロイドに。







an inorganic substance







俺はアンドロイドを持っている。家事機能を持ち、セクサロイド機能、その他いろんな機能があるアンドロイドを持っている。

何故男かというと、アンドロイドを買おうと思い店に行き、手頃なアンドロイドを探していた。もちろん、その時は可愛い女の子を買おうと思っていた。その時、ガラスケースに飾られていた美しい男のアンドロイドに目を奪われた。俗に言う一目惚れだ。

店員に、即買いますと言った。値段は予定よりも高くなったが気にしないことにした。

「お客様は、良い目を持っておられますね。これは一流人形師に作られた最新ドールです」

「へえ、高いわけだ。名前とかはどうすればいい?」

「お客様の好きになさってください。そしたらこちらでカスタマイズします」

美しい男のアンドロイドに目を向ける。綺麗なミルクティー色の髪。深い焦げ茶の瞳。透き通る白い肌。

「名前は、耀がいいな」

「よう、でございますね。漢字はどれでございましょう」

「光にあの、曜日の曜の右側です。…すいません、説明下手で」

俺の漢字の知識不足ハンパない。

「いえいえ、かしこまりました。良い字ですね。では、こちらでカスタマイズさせて頂きます。3日後にまた当店にお越しください」

一礼をして店を出る。





3日後

「ようこそおいでくださいました、高瀬様。ご注文のドールがお待ちでございます」

以前の店員が深く礼をする。店の奥、あの俺が一目惚れしたアンドロイドがいた。

「待ってました、高瀬様」

にこりと美しい男が微笑む。



これが出会い。






*
俺はお金持ちの若くして事業を成功したという社長の男性に買われた。

名前は、高瀬 旭様。
どっちも名字みたいな名前。

すごく優しい人。いつでも俺のことを考えてくれる。

まず最初に言われたことは、一目惚れしたと告げられた。耀が俺のことを好きになったらでいいから、それで好きになったら付き合ってほしいと言われた。

俺はびっくりした。だって俺はアンドロイドだ。セクサロイド機能もついている。俺は高瀬様の性処理人形のつもりでいた。

アンドロイドとはそういうものだと思っていた。






「ね、高瀬様。俺のこと抱かないのですか?」
その言葉に驚いた顔をされる。一つ息を吐いて、仕事中にだけつける眼鏡を外しパソコンから視線を離す。今は高瀬様のオフィス、俺は秘書として側にいる。

「言っただろ、耀が俺のことを好きになったらだって。それに俺はそんなに欲求不満じゃないよ」

「…どうしてですか?だってアンドロイドでセクサロイド機能も持っています。俺は高瀬様に抱かれるのも役目です」

俺をじっと見つめたまま高瀬様は動かない。それかくすっと笑って俺を抱きしめる。

「可愛いね、耀は。俺はね、耀をセックスするために買ったんじゃないよ。仕事してる時や、プライベートの時に一人が寂しかったからアンドロイドを買ったんだ。耀は一目惚れ、運命だったんだよ」

納得した?と笑顔で言われるがあまり納得できない。でも、自分の仕事はセックスするだけじゃないから少し納得。

「さ、休憩は終わり。この数字まとめてくれないかな」

数字がびっしりと書かれた書類をどん、と渡される。
そうだ、俺は高瀬様の秘書なのだ。








*
俺はそんなに欲求不満人間に見えるのだろうか。
今日、耀に言われ正直ショックだった。

確かに耀はセクサロイド機能もついている。けれど、基本使おうとは思っていなかった。

確かに俺は耀が好きだ。
一目惚れした。でも、セックスには結びつかなかった。

単純かもしれないかもしれないけど、耀とちゃんと両想いになってからしようと思っていた。


彼女がいた時、出会ってすぐにセックスはめったにしなかった。彼女は、私のこと愛してないの?と言われフラれたことは多数ある。

愛してないわけじゃなかった。むしろ愛してた。
この気持ちは彼女達には伝わらなかった。

けど、耀には伝わってほしい。でも今日言われたことは少なからずショックだった。



昔付き合ってた彼女に言われた。行為が終わった後に、

「旭って意外と下手なんだね。私てっきりヤリチンだと思ってた。イケメンだったから付き合ったけど期待外れ。ね、別れよう」



ショックだった。
悲しかった。俺は彼女が好きだったのに。そんなつもりじゃなかったのに。



それから俺は恋愛に慎重になった。それが彼女達を焦らしてしまったみたいだ。



人間とアンドロイド、

アンドロイドに恋している人間とセクサロイド機能を持つアンドロイド。



おかしな組み合わせ。でも、これの何が悪い。



街を歩けば皆アンドロイドを連れて歩いている。皆、好きな人を見つけたのだろう。



俺は一目惚れした。
アンドロイドに、しかも男に。
ガラスケースに入っていた綺麗な耀に。



正直、怖かった。
いきなりそんなことをしたら耀に嫌われてしまうんじゃないか、と。



俺はいつも彼女達にも、耀にも臆病だった。








自室のドアを開け、仕事をしている耀を見る。

真面目にデスクワークをしている。そりゃそうだ、俺が仕事を頼んだんだもん。

「高瀬様、これ終わりました」

顔を上げ俺を見る。相変わらず綺麗な顔だ。好きな人の顔は何度見ても飽きない。

「どうかしました?」

「ね、耀。俺さ耀のことが好きだよ。俺は素直じゃないし、口下手だから今単刀直入に言うけど、耀としたい、耀のことが抱きたいんだ」

俺の言葉に耀は目を見開いた。でもすぐに嬉しそうに微笑んだ。

「どうしたんですか?急に。俺、嬉しいです」

「耀は俺のこと好き?機能としての感情じゃなくて本当に心からの好き?」

言っている俺は必死だった。まるで恥ずかしがり屋の小学生が好きな女の子に頑張って遠回しに告白しているみたいだ。

椅子に座っている耀がじっと涙目で俺を見つめる。







*
驚いた。高瀬様がいきなり告白してきた。

実は、あれから抱かないんですか?と聞いた日以来ずっと悶々と悩んでいた。

今、高瀬様は目の前で俺の返事をじっと待っている。

でも、高瀬様を見ると高瀬様もずっと考えてくれていたみたいだ。

俺は機械だ、人形だ。
そのことは十分に自覚している。でも心はちゃんとある、涙だってちゃんと流れる。一流の人形師に作られた特権だ。

高瀬様のような優しい人に買ってもらってよかった。聞く話によると扱いが酷い人もいると聞いた。



いつもはちょっとへたれだけど仕事している時は格好いい。終わるといつも俺に甘えてくる。



そんな高瀬様が好きになった。高瀬も俺のことが好きだ。だから抱かないのか?と聞いた。

俺の言葉に驚き、高瀬様の言葉には少しショックだった。

でも、そんなことはどうでもよい。今、高瀬様が俺に、俺が欲しかった言葉をくれたからもういい。
だから、俺も高瀬様が欲しい言葉を上げる。






「…高瀬様は俺のこと信じてないんですか?俺、自分が人形だって自覚してます、でもちゃんと涙だって心だってあります。俺は高瀬様が好きです」


嘘じゃないんです、腹の底から高瀬様が好きだと言えます、はっきりとした凛とした声で告げる。







*
耀の言葉に俺は嬉しくて飛んで行きそうだった。

けれど、極めつけの一言が、

「でも、今はまだ仕事があるから駄目です。というより社長、仕事して下さい。かなりたまってます」

雰囲気が台なし。
さすが仕事モードの耀。



時刻は夜の8時。
俺は正直これからのことで頭がいっぱいで仕事は手につかなかった。そして度々耀に睨まれた。

「耀、もう仕事終わったよね?」

「たった今終わりました」

正直、家に帰るのが億劫だからここの、オフィスのソファですることを決めた。

「耀、こっち来て」

腰に手を回しソファに連れて行く。ソファですることに決めたことに気づき耀が身じろぐ。

「や、ここで?家じゃないんですか?」

「待てないから。いいの」

ちょっと強引にキス。
どんどん服を脱がしていく。白い肌。下も構わず脱がしていく。少し耀が抵抗したがすぐに止んだ。

「ふ、こんないきなり、やあ、」

むきだしになった耀の性器をぎゅっと握りまじまじと見つめる。

「やっぱり綺麗だね、色も薄いし」

「そんな見ないで、あっ」

写真でしかアンドロイドの性器は見たことがなかったが、すごいよく出来ていると思った。耀を作った人形師は一流だったんだと改めて実感させられた。

優しくゆるゆると扱いていく。耀が身じろぎ喘いでいる。俺も結構限界が近そうだったから、ちょっと意地悪がしたくなった。
耀の蕾をそっとなであげた。

「ね、耀のここがよく見たいな。足、広げて?」

俺の言葉にかっと頬を赤くし、下を向く。

「や、そんな、恥ずかしい…」

早く、そう言いながらまた蕾をなであげる。
手を膝裏にかけ、恐る恐る足を開く。綺麗な色をした蕾が現れた。顔を近づけじっと見る。

「綺麗だね、耀の体は全部綺麗だ」

そう言って唇をつけ舐めた。優しく舐め、入り口をこじ開けようと唾液を注ぎ込む。

「やだ、そんなところ舐めないでっ、あ、やあ、」

抵抗している耀をほっとき、舐めることに集中した。そして、舌と入れ替わるように指をいれた。

「あ、そこ、駄目、ああああ、苦し、」

一本、二本と増やしていく。耀は顔を赤くして悶えている。感じてくれているみたいだ。俺のも痛いくらいに勃ち上がっている。
そろそろいいかな。
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