拍手小話集

□信頼
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大事な分岐点。決まれば流れがこっちにくる。


そして、そういうとき。テンさんは私に上げてくれる事が多い。



そして案の定、ボールは私の所にやってきた。

ブロッカーを見てストレートに打ち抜くとコートをバシッと跳ねた。


くるりと振り向いて拳を握りガッツポーズ。


するとテンさんが何を思ったのか笑顔で抱きついてきた。


おぉ、テンさん?そんなに嬉しかった?テンさんの期待に応えることが出来たから?


試合中、ほとんどしない突然の行為に内心びっくりしながらも笑顔で受けとめながら、少しずつ自分の手応えをつかんでいく。


そしてその流れは最後まで離さずに自分達のバレーで攻めきり勝ちをものにすることができた。





新たな私が走りだしたこの夏舞台。

チームのため、応援してくれる人達のため、あたし自身のため、そして大切な主将のために。




「シーンー!」



あたしはこの一瞬に賭けている。


バシッ

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