文
□掌中の温もり
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ポツン……
ポツン……
赤い液体が頬をつたい、また地面へと落ちる。
ポツン……
ポツン……
辺りは薄暗く、その滴の落ちる音だけが寂しく響きわたっている
ポツン……
「うぅっ……」
殴られてズキズキと痛む体を必死に支え、よろめきながらも立ち上がり 辺りを見渡す
………。
ダンボールがあちこちに積まれ 乱雑に置かれている。
空気も少し埃っぽい……
どこかの倉庫だろうか。
「!!」
何かを思い出したように辺りを捜す
すると、
3メートルほど先にぐったりと横たわる人影。
「アル!!!」
動くたびに激痛が走る体をもろともせず走り寄る。