novelB
□J
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「おお!サンジ君にナミ!さてはおれ様を迎えに来たな?出迎えご苦労!」
「………。」
「………。」
「いや〜、わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます。いや、本当調子に乗ってすいませんでした。」
私達が酒場からどんな思いで走って来たと思ってるんだろう。
怒りは遠回りする事無く、直接ウソップへと向く。
ボコボコになったウソップが正座する周りには、楽し気を思わせる酒瓶が大量に転がっていた。
「クソ野郎が。ナミさんに心配かけやがって。おい、あんたんとこの船長にもよく言っておけ。」
「わははははっ!船長ドSだから!」
キャスケットの男は赤い顔でおなかを抱えて笑う。
こっちからしてみたら、とても笑えない冗談だと言うのに。
「心配して損したわ。無事で良かったけど。」
「へえ、ナミって見かけによらず仲間思いだな。」
「あら、私は優しいのよ。見かけによらずなんて失礼だわ。」
ペンギンはまだ開いていないお酒を私に手渡す。栓を開けると、走ってカラカラになった喉に流し込んだ。
「おい、てめえ。随分ナミさんにクソ馴れ馴れしいじゃねえか。」
「おれ?」
「そうだ。気安く話しかけてんじゃねえ。この麗しい美女と簡単に話せると思ったら大間違」
「ログはいつまで?」
「えーと、あと4日かな。」
うちの船のログが溜まるのはあと5日だ。その前にこいつには、して貰わなければならない事がある。
「ちゃんと約束守りなさいよ。」
「わかってるって。あの本、すげえ面白いぞ。」
「だから早く読みたいの!さっさと読んで、さっさと返して。このままだと、指輪は返せないわよ。」
「それは困る。あ、今ちょっと読むか?持って来る。」
そう言うとペンギンは立ち上がって船内へと入っていった。
残りのお酒を飲み干すと、何やらやたら意気投合して盛り上がる三人に視線を移した。