novelB
□F
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あれから再びウソップと、ロビンと一緒に街に戻って来た。
ロビンは別の場所を探すと言って離れたけど、10分後にカフェで優雅に読書をしてるところを目撃してしまった。
たいした事ないと思っているのか、はたまた戦いに面した際の自信の表れなのかはわからないけれど。
「もうっ、ロビンったら、協力する気がないなら初めから言ってくれればいいのにっ!」
「しょうがねえよ、おれ達だけで探そうぜ。」
仕方なく二人で歩いて探していると、目の前のレストランの扉がいきなり爆発したみたいに弾けとんだ。
「待てーっ!!食い逃げだ!!誰か捕まえてくれ!!」
事態を把握するのは一瞬だった。
咄嗟の判断に、我ながら手慣れたものだと感心する。
「あ、こんなとこに肉が!」
「えっ?どこにっ?肉っ!」
飛びついた船長を捕まえると、店の店主と目があったのでそのまま逃げ出した。
「なんでお前らまで逃げんだ?」
「バカね!仲間だってバレたらお金払わなきゃならないじゃない!嫌よ、私が食べたわけでもないのに!」
「なるほど〜。」
追っ手を撒いて路地裏で息を整える。
まるで悪気を感じないルフィに腹が立つ。
「なんだよ!!なんでいきなり殴られなきゃなんねぇんだよ!!」
「いい?この島であんたは絶対に一人で行動しないで!!」
「なんで?」
「私の話聞いてた?今、この島にはあんたの他にもう一人億越えの海賊がいるのよ。私はもめたくないの。穏便にこの島を出たいの。わかった?」
「はーい。」
理解していない事を理解する。
思わずため息をつくとルフィは私の眉間を指でつついた。
「しししっ、お前そんな顔してるとシワシワになっちまうぞ。」
「誰の…、誰のせいだと思ってんのよ!!」
「わわっ、怒んなよっ!あれ?そういえばウソップは?」
「ごまかさないで!」
「本当だって!いねえじゃねえか!」
「え?」
辺りを見回しても一緒に逃げて来たはずのウソップがいない。
一体いつから?
気づかなかった。
「ま、いいわ。」
「いいのかよ!」
「あんたと違ってウソップはそうそう揉め事を起こしたりしないもの。あんたが町の中にいる方がよっぽど不安だわ。さっ、船に戻るわよ。」
「肉は?」
「あるわけないじゃない。食い逃げするくらいだからお小遣いもう無いんでしょ。諦めなさい。」
しょんぼりと肩を落としたルフィの首根っこを掴んで、引きずるように船に向けて歩き出した。