素敵な頂き物&捧げ物

□One wing bard
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第二話「壊された日常」


「トゥミ!14歳の誕生日、おめでとーっ!」
羊の世話を終え、家に帰ると美味しそうなご馳走が並んだテーブルの向こうで兄が両手を広げて私を出迎える。
「えっ?!きょ、今日だっけ?!明日だったような…」
「……」
確か、明日。明日が私の誕生日…のはず。
「うぉぉぉぉんっ!!一日間違えたぁぁぁぁっ!!!」
兄はガンガンと壁に頭をぶつけ「俺の馬鹿ー!ボケェー!」と自分を責め立てる。
「ちょ!に、にいちゃ!やめてーっ」
なんとか兄を壁から引き離す。
「自分の大事な妹の誕生日を間違えるとか有り得ないだろぉぉ…。
おおおおトゥミ…愚かな兄を叱っておくれ…」
よよよよ…と泣き付く兄をぎゅっと抱きしめ、頭を撫でてあげながら
「ううん!大好きなにいちゃがトゥミのためにこーんなに凄いご馳走用意してくれたの、とっても嬉しいもんっ。にいちゃ、だーい好きっ!」
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