素敵な頂き物&捧げ物

□キミハネ第一期クリップボード
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第十六話「死神のしもべ」


「くっ…」

迂闊だった…。わき腹を押さえながら私は敵の後を追う。

(不審な者が増援に紛れているのは気づいてはいたが…まさかあのような細い女が)

そいつは増援の兵士の中にいた給仕だった。
時々鋭い視線には気づいていた。そのため、兵士ばかりに疑いの目を向けていたが…。

(尋常な強さじゃない。もしや…アサシンギルドの者か?!)

杖を奪っていった辺りからして、エルドラドの秘宝が目当てなのは明白。
80人のつわものを一瞬にして吹き飛ばしたあの剣風…まるで旋風だった。

(まさか…噂に聞く、死神と呼ばれる者の手下か?
ならばカミナンドと合流する気か?!)

咄嗟に致命傷は避けたが、ざっくり切れたわき腹からの出血が止まらない。ギルフォードと早く合流して止血してもらいたいが…このまま敵を野放しにも出来ない。

「レギウスーッ!!」

「…リフ?」

バサバサという羽音と共に上からリフレクションの声がし、彼が目の前に降りて来た。

「大丈夫か?!」

「あぁ…」

手を貸そうとするリフを制し、敵の走り去った方角を指差す。

「水色の長い髪をした女だ。鞭のような剣を使う」

この体では敵に追いつけない。ならば、先にリフレクションに追ってもらうしかない。
あのカミナンドが持っていた本が事実ならば…敵の手にエルドラドの秘宝が渡れば我々どころか世界が危機に陥る。

「分かった。レギウスは此処で休んでいてくれ」

そう言うとリフは紫の発煙弾を撃つ。

「気をつけろ…敵はカミナンドと同等か、それ以上だ」



・・・
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