限りある時の中で

□限りある時の中で The later story
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ようやくガーランドが見え、私は飛行機を前に来た港の空いている場所に停める。

「あっ!アルバス様が来たよ!」

そう言いながらすぐさま港に居た人々が飛行機に集まって来る。

「アルバス様ー!」

私は最愛の人の名を呼ぶ人に囲まれながら…飛行機から出る事が出来ずにいた。きっと此処から出れば…私の口からアルバスの死を告げねばいけないから。…怖い。



「キャアーッ!」

暫く、飛行機の周りに群がる群衆から身を隠すように座り込んだままいると遠くから人々の悲鳴が聞こえた。

(何?)

悲鳴はどんどんこっちに近付いてくる。

「氷狐族だ!」

(…氷狐族?!)

それはドワーフの国で見たあの恐ろしい化け物の名前だったはず!
思わず私は立ち上がり飛行機の窓から外を見る。

(…あれが?あれがそうなの?)

人々がまるでモーゼの海を渡る時の海水のように2つに分かれて道をあける向こうから…目の覚めるような青い髪の、人と呼ぶには難しい形をした者がやって来る。

(どうしよ?!逃げた方がいい?!)

慌てて飛行機を発進させようと後ろを向くとダンッと飛行機の上に何かが落ちたような音がした。

「な、何?!」

「アルバス様の飛行機に氷狐族が!!」

「す、すぐ兵隊さんを呼ぶんだ!」

(もしかして…上に居るの?!)

革張りの天井を見上げればいびつな形にへこんでいる。

「…あぁ…アルバス…私、すぐにそっちに逝くかも」

確か…魂を食べちゃうんだっけ?魂を食べられちゃったら…アルバスには、会えるのかな?


「……貴女が、也美様?」






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