素敵な頂き物&捧げ物
□キミハネ第一期クリップボード
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トゥミ…
トゥミ…
「……あ」
誰かが私を呼ぶ声が聞こえた…気がした。
それはとても心地よく、でも…聞いた覚えのない声だった。
トゥミ……私はこっち…
「また」
また、聞こえた。そしてそれは現実に聞こえる声ではない。頭の中の深い場所で聞こえる声だった。
はやく……はやく…
「…よく分からないけど…今行く」
だるい体をベッドから起こし、靴を履いて家から出る。
(あ、一番星…)
空には1つだけ大きな一番星があった。その下に広がる地平線の先にはまだ赤い夕焼けが見える。
トゥミ…はやく、扉の村へ…
声の方へ走り出すとチラリと視界の端で動くものがあった。
(あいつ…)
カミナンドだ。私の後を追ってくる。
・・・