琥珀の宝玉
□―輪廻転生―
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そうやって、死んだはずのオレの意識が浮上したのは、真横からの泣き声が原因だった。
その声の響きからすると、生まれてそう経っていない赤ん坊の泣き声。
その泣き声に、パタパタと走って近付いてくる音。
「どうしたの? エド?アル?」
どっち? と言いながら走ってきた人の声は、懐かしい母の声。
あ、母さんだ…と一瞬惚けていた、が。
いや、ちょっとまて。可笑しいだろ!何で母さんがいる!?
しかもオレ小sじゃなくて幼くない!?
ツッコミたいところはいろいろあったが、とりあえず隣で泣いているアルを何とかしないとと思い、頭を撫でていた。
そうして数週間ほど過ごしている間にわかったのは
1,どうやら自分は過去(それも自分が産まれてすぐ)の世界にきてしまったようだ。
2,オレとアルは双子らしい。
3,記憶があるからか両手をあわせての錬成は可能。
…と、まぁこんな感じだ。
「(確かにな?オレみんなに会いたいって言ったよ?
だからってさぁ…人生やり直しとかありえねぇだろ!?)」
と、そこまで考えたとき、ふと思った。
今から鍛錬しておけば、師匠に勝てるんじゃね!?………と。
「(幸い首も座っているし、寝返りをうつことだってできる…!)」
よし!そうとわかれば鍛錬だ!!
・・・とはいっても、赤ん坊の身の上では、はいはいで動き回ったり、掴まり立ちを目指して訓練をしているような感じであった。