S-story

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二度と離さない

二度と離れない


甲斐の国で炎に包まれながら
交わした約束の言葉は幻想だったのか



‥‥‥否



忘れてください
そう言われた



すべて現実
夢でも幻想でもない







[ 鍵 を か け る ]






私が謙信様のそばにいると、貴方は笑っていてくれる

私が謙信様と出掛けると、貴方は喜んでついて来てくれる

私が謙信様と笑っていると、貴方は幸せそうな顔をする




私が貴方のそばにいこうとすると、貴方は逃げてしまう

私が貴方と出掛けたいと願うと、貴方は困った顔する

私が貴方に微笑みを向けると、貴方は辛そうな顔をする




私は‥‥

貴方の困った顔も辛そうな顔もみたくない



私はただ‥‥

貴方に笑っていてほしい






この気持ちは貴方を傷つける

この気持ちは貴方を困らせる




……だから

……だから


鍵をかけよう心に



頑丈な扉
誰にも侵入(おか)されない






貴方が幸せなら私も幸せ

貴方が望むことは私も望むこと

貴方が笑顔でいてくれたら、私も笑顔でいられる




‥愛しています


全ては貴方の為に。









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