‐gintama‐
□性欲
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『ねぇ、夜兎ってみんな性欲強いの?』
「はぁ…!!?」
食堂で飯を食ってると、向かいに座る女が突然ポツリとそんなことを言い出した。
思わず食ってたチャーハンを喉に詰まらせ咳き込んでしまう。(俺ァは厨二か)
『汚いよ。チャーハン飛ばさないで』
ジトッとした目で俺の顔を頬杖ついて見てくる目の前のお奈美。
「お前さんがいきなり変なこと言うからだろ!そらァ口からチャーハンも出るわ!」
『だって…』
「ったく、なんだっつーんだ」
『神威がスゴくて…』
「あ?何が」
まあ聞かなくともナニだとこの流れからして大体予想はできるが。
『性欲。尋常じゃないくらい強くて…夜兎はみんなそうなのかなって』
「……はぁ、」
俺は黙ってチャーハンの続きを食べ始めた。
『私は真剣に悩んでるの阿伏兎』
バンッとテーブルを叩いて体を前のめりに迫ってくる。胸見えてるっつうの…。
『ねぇ!』
「ああ…なんだまあそりゃ貧弱なお前さん達地球人よりはそうなんだろうが、その中でも団長は若いしなんせあの団長様だし別格にお強いんじゃね?」
…って、なんで俺は団長の性事情を分析してんだぁあああ!!
「はぁぁ…」
歳はだいぶ離れ下とはいえ、自分の上司である神威(18)のベットシーンを想像して少し気分が悪くなり顔を青白くさせてなんとも言えぬ複雑な心境になった阿伏兎(32)であった。
『阿伏兎もそうなの?』
「はぁ!?なんで俺…!」
『あ、ごめん。彼女いなかったね阿伏兎』
「うるせェほっとけェ!」
わざとだろ。今のフリ絶対わざとだろ。誰のバカ団長のせいで仕事に追われる毎日だと思ってんだ。このすっとこどっこい。
『一人で毎晩寂しくその右手でシコシコやってるの?』
「お前もう黙れ!殺すぞ!」
『何それ。神威のマネ?全然可愛くないんだけど。もっとニコニコスマイルで"殺しちゃうぞ☆"ってキュートに言わなきゃ』
団長のマネをして胡散臭い笑顔を顔に貼り付けるお奈美。
『別に夜のオカズにくらいは私なってあげるからさー』
「誰がお前みたいな小娘!!」
『一回10万ベリーね♪』
「どこの泥棒猫だ!!」
『あはは、ごめんごめん。あまりにも阿伏兎が可哀想だったから』
「可哀想とか言うな!そっちのが傷つくわ!」
なんなんだこの屈辱感…。
『で、本当のトコどうなの?毎日ヤりたいもんなの?一日何回もヤりたいもんなの?』
「だからお前そういう…」
『だってこういう話、阿伏兎にしか相談できなくて…』
「別に俺じゃなくても云業でもいいだろ。只でさえ仕事が立て込んでて疲れてんのに飯の時間くらいゆっくりさせてくれ…」
『云業になんか相談したら話の途中で興奮して勃つに決まってるからダメよ!話になんない!あいつ顔面はああだけど中身は厨二だもん!』
云業の扱い…。
『阿伏兎だったらその点顔も中身もおっさんだし安心でしょ。見た目も頭脳もおっさん!』
「…お前さん今物凄く失礼なこと言ってんの気付いてる?」
『何?まさか阿伏兎勃ってんの?嘘でしょやめてよ汚らわしい!』
そう言ってテーブルに頭を潜らせ下から俺の股間を目視する。
「……何してんだお奈美」
『なによ、勃ってないじゃない。ビックリさせないでよもう』
「当たり前だこのすっとこどっこい!こっちがビックリさせんな!」
『それとも触って確認した方がよかった?』
「はぁ…冗談はよしてくれ。まだ死にたくねェんでな」
団長に葬られるわ。
『で、話の相談に戻るんだけど』
え、なに。
俺いつお奈美の相談に乗るって言ったっけ。
なんかこのまま俺のことお構いなしで話進める気満々なんだけどこの子。
『神威の性欲がハンパなくパネェの』
「んなこたァ俺に言われたって知らねェよ!」
団長の性生活なんて聞かされたくないし知りたくもない。ましてや飯食ってる真っ只中に。
『朝起きたらいつもパジャマ破り千切られて襲われてるってどうよ。私今まで目覚まし時計で起きたことってないんだけど。先っぽ挿入が目覚ましの合図ってどうよ。全然爽やかな朝のお目覚めじゃないんだけど』
・・・。
「……まあお前さんも苦労してることはよくわかった」
『そりゃね、こうやって体を求めてきてくれるのは彼女として女として嬉しいのよ私も。私神威のこと大好きじゃん?』
知らねェよ。
「結局ノロケか…」
『私が拒絶して神威が他の女のとこフラフラ行ったらヤだし』
「まあ今んとこ見てる限りそれはなさそうだがな」
『まあね。私も結構頑張ってるから』
ナニを。
『私も地球人にしては強い方だと思うんだけどね、でも神威の元気(タフ)さにはタジタジっていうか』
「そうかい…」
『絶倫だわ、ホント』
まあ普段の団長を見てりゃそらもうソッチの方もお奈美の話からしても相当スゴイんだろうとなんとなくわかる。わかりたくなんかないが正直。
『とりあえず何が言いたいかってさすがに最近腰にガタがきてて毎日痛いのなんのって…』
「年寄りか」
自分の腰を擦るお奈美。
『おっさんにだけは言われたくない。そういう痛さじゃなくて無理矢理入れられすぎてガンガン突き上げられすぎてって意味!女にしかわからない痛みよ』
「生々しすぎんだろ。確かにおっさんの俺にはわからんことだ」
ついに自分でおっさんって認めたよこのおっさん。
「…お奈美。これ食ったら後で俺の部屋来い」
『何それ。誘ってるの?阿伏兎でも盛ることあるんだ。へー』
「違うわ!誰がんなァ恐ろしいことするか!湿布だ!」
『湿布?』
「ああ。俺が使ってるやつだ。その女の痛みとやらに効くかはわからんがやるから貼ってみろ」
『阿伏兎…』
やっぱり日々苦労してデスクに長時間向かってるだけあって湿布を愛用してたのね。
どおりでたまに阿伏兎の近く寄るとスーと鼻が通る湿布の匂いがすると思った。最初はおっさん臭かと疑ったけど。
春雨第七師団副団長とはいえ、阿伏兎も相当人並み知れない苦労をしてるのね…と私は心に深く思いました。あれ?作文?
「何を一人でブツブツ言ってんだ」
『ううん、こっちの話』
私は目尻の涙を拭った(マネをした)。実際は涙なんてカラカラだけど。
「二人で楽しそうだネ。なんの話してるの?俺も入れてヨ…あ、間違えた。俺が入れるのはお奈美のナカだね」
『神威…!(うげっ)』
「団長…!(うげっ)」
早速ナチュラルに下ネタをぶっ込んでやってくる絶倫神威さん。
「お奈美、何食べてるの?」
『見たらわかるでしょ。天津飯』
「そんなものより俺のモノの方がオイシイよ。お奈美好きでしょ?俺のモノ」
「(ヲイイイイ何普通に言ってんだァアアア)」←おっさん
『好きだけど今はお腹空いてるから天津飯が食べたいの』
「(いやいやいや違うだろおかしいだろ!!)」
「…そう。ねぇお奈美、俺もお腹空いたよ」
『頼んでおいでよ。待っててあげるから』
「俺はお奈美が食べたいな」
「(ブッ…!!)」←本日二回目チャーハン噴射
『さっき食べられたばっかなんですけど』
「大丈夫。もう精子復活したから」
「(なんの大丈夫ぅうう!?つうか復活早!!)」
「お腹空いたよお奈美」
『勘弁してよ神威…もう今日5回もシたんだよ?言っとくけどまだお昼だからね』
「(おいおいマジかよ…)」
「今日の目標は(も)10回だネ」
『死ぬわ!』
「(どんだけェエエエエエ)」
お奈美、死亡フラグ。
END(2014.02.22)
あかん。わたしが神威書くとこんなんばっか。w