‐gintama‐

□糖分不足
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「ああ…ダメだ…糖分不足だ…死ぬぅううううう」


氏ね。


「お奈美ちゃんおっぱい揉んでいい?ていうか揉ませろ、じゃなくて揉ませて下さい切実に」

『意味わかんないから』


いやホントマジで。その生々しい手つきヤメロ。


『ついに脳ミソまで糖にやられて溶けたんじゃないの?』


ていうかここかぶき町のど真ん中だから。周りに普通に人いっぱい歩いてるから。お天道様バリバリ元気サンサンだから。


「銀さんここ5日“糖断ち”してるから体に甘い物取り入れて摂取しないともうダメなんだわ…」

『大丈夫。心配しなくても銀ちゃんは元からもうダメだから。手の施しようがないダメなマダオだから』

「いや違うよね?そういうことじゃないよね?」

『まず“糖断ち”って何?キモイんだけど』

「え、ちょ、キモイはなくない?」

『キモイ』

「いくらなんでも“糖断ち”って言っただけで愛する彼氏に向かってキモイとかひどくないィィ!?」

『めっさキモイ。ごっさキモイ。そんなニコチン切れみたいなかっこつけた言い方したところでどうせ単に財布の中身空っぽで何も買えないだけでしょ。愛する彼氏のことは全部お見通しです』

「ギクッ」

『ね、銀時さん?』

「いや、それは…その、アレだよアレお奈美チャン…!」


明らかに図星で今ギクッて言ったよね。言ったよねこのちゃらんぽらん今ギクッて。


『いい歳していつまでもジャンプ読んでる少年のような夢見てないでいい加減早く安定した職を手に就けて毎日汗水垂らして必死こいて働けよニート』

「・・・」

『本当イライラする見てるだけで存在そのものがマジで消えてくれないかなわたしの視界から』

「………えっと、お奈美ちゃんもしかして女の子の日2日目デスカ?(怖いんだけどォオオオ)」

『銀ちゃん』

「(ビクッ)あ、はい」

『いい歳こいてレディに向かってデリカシーって言葉を覚えやがれこの腐れちゃらんぽらんダメダメニート!』

「あれ…なんか目の前が霞んできた…じゃなくてェェェ!」

『うるさいなぁもう人の耳元でそんな大きな声出さないでよ。子宮に響くでしょうが』


──そう。
この白昼から仕事もせずに無駄に盛ってるちゃらんぽらんの言う通り、何を隠そうレディースデイ2日目のわたしはさっきから無性にイライラしてもういっそこの世界をブッ壊したくなる。(どこの高杉)そして我が股も絶賛出血大サービスでブッ壊れてるなう。乳揉ませろ言う暇あんなら愛する彼女の体調気遣ってロキソニンの一つでもない金絞り出して買ってこいや役立たずの腐れ天パが。銀ちゃんなんて所詮三次元じゃただの大泉○のくせに。まあわたしは綾瀬はる○ってとこかな。(ヲイ)


「耐えろ!耐えるんだお奈美!この痛みも将来身籠る俺とお前の愛の結晶の為だ!乗り越えろ!ほら俺の愛のゴットハンドで少しでもお前のその血みどろな痛みを…」

『ドントタッチミー。馴れ馴れしくわたしの腹部に触らないで変態ニート』

「あれ…目から汁が出てきた…じゃなくてェェェ!」


汚い。唾飛ばすな。


「大好物の甘い物をもう5日も口にしてない可哀想なお奈美の大好きな銀ちゃんを助けると思ってここはお奈美のプルプル甘いポムポムプリンを…」

『気持ちが悪いアル』


死ねよコノヤロー。なんだよポムポムプリンってふざけてんのか。久々に聞いたわそんなサンリオキャラの名前。こちとらドバドバでそれどころじゃないんだよ。


「ちょォオオそんなストレートに言われるとさすがの銀さんも傷ついちゃうよ!?Sは打たれ弱いんだからね!そこんとこ4946!つかなんで神楽みたいな喋り方!?訛ってんのソレェェ!?」

『なんか銀ちゃん日に日におっさん化してってるアル。キモイヨ。死ねばいいヨロシ』

「だからなんで神楽!?モノマネ!?マイブーム!?つかおっさんって俺まだイケイケの20代だから!お奈美ちゃんと同じ現役20代だから!銀さんまだまだバイアグラ使わなくともビンビンのギンギンだからねェェ!」

『20代は20代でも銀ちゃんは四捨五入したらもう三十路ネ。枕からおっさんの臭いするアルもん』←アルの使い方間違ってる


それに平気でゲスい下ネタをバンバン言うとこがもうおっさん化現象である。


「しない!銀さんの枕からおっさんの臭いなんてしない!しないったらしない!断じてしない!絶対しないから!ほらお奈美がそんな大声で大嘘つくから通り過ぎる人みんな俺のこと見てんじゃん!俺の枕おっさん臭いって思われてんじゃん!どうしてくれんの!俺もう明日からこの町歩けねェよ!責任とっておっぱいモミモミの刑に処ォォォす!」


この人バカなの?死ぬの?


『………帰る』


神楽ちゃんの計らいで「たまには二人でかぶき町の空気吸ってくるヨロシ。わたしは定春の散歩行ってからハッピーターン食べにまりっぺの家に行くアル」と、レディースデイ2日目だから家で大人しく寝転がっていたいとは言えず(神楽ちゃんの心優しさに嬉しくて胸がほっこりした)わたし達は大江戸スーパーに切れそうだったトイレットペーパー12ロールを買いに行く途中だった。(新八くんはお通ちゃんのライブで今日は万事屋お休み、というか万事屋自体の仕事がない依頼もない金もない)だがもうどうでもいい。トイレットペーパーなんてクソくらえ。明日から紙やすりででもテメーの汚れたケツ拭きやがれ。そんで血渋き上げて逝っちまえばいい。なんでわたしまで知らない通りすがりの人達から白い目で見られなきゃいけないのよ。キチガイはこの天パだけでわたしまで同類だと思われたくない。


「待ってお奈美ちゃんンンン!お願いだからおっぱい揉ませてェェェ300円あげるからァアアアアアア」

『………』


お願いだからわたしの前から消えて300円あげるから。


END(2012.03.05)


***


「騒がしいと思ったらやっぱり旦那方か…何やってんでィ白昼堂々こんな道のど真ん中であの人達」

「テメェも何白昼堂々こんな道のど真ん中で仕事サボってやがんだ総悟ォォォ!!」

「やべ、見つかっちまいやしたか。てことで死ね土方コノヤロー!!」←バズーカ構える

「意味分かんねェから!!」




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銀さんがとても残念でおかしなことになってしまった。まあこれも脳に糖が足りなくて全ては糖分不足のせいってことで。←

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