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□憎き天敵
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『イタッ!!』




そんな恐ろしい想像をして一人震えてたら突然何の前触れもなくルフィに太腿の内側を思いっきりパチンと平手打ちされた。……は?いきなり何だというのだ。反抗期か?




『ちょっと急に何すんの!痛いしびっくりしたし痛いじゃない!いたたた…』




とても大事なことなので二回言ってやった。いや、でもホントマジで痛かった。こいつガチで私の内腿叩きやがった…。(外腿より内腿の方が柔らかくて痛いのよね)びっくらこいてあたしゃそのままドスンと甲板に尻餅ついたわ。




「違ェんだ今ここに蚊がいてナマエの血ィ吸ってたからよ!」


『Σえ、うそ、最悪、またやられちゃった系!?』




そりゃあ一大事だ。反抗期だなんて言ってごめんなさい。




「どれ俺に見せてみろ」


『あ、はい』




そう言って戦いのときに見せるような真剣な表情で急に男の顔になるルフィがまぬけに尻餅をつく私の前に座る。


そんな目の前のルフィに私も黙って言う通りにあれよこれよとされるがままに船長に自分の全てを託した。




『どう…?』




不安そうに今にも消えてきそうな小さな声で問う。




「ダメだ一歩遅かった」


『いやァアァ』




くっ…またしても先手切ってやられてしまった…!


内腿に1ヶ所追加、と。




「ほらもう赤くなってんぞここ」




憎き蚊に吸われたてほやほやの箇所をルフィが爪を立てて掻いてくる。




『ちょ、痛いっルフィ…』


「あ、わりぃ」


『やるならもっと優しくして…』


「ん、こうか?」


『んっ…そうそうそんな感じ…あー痛痒いぃぃぃ』




何だこれ。




「…テメェらさっきからうるせェ少しは静かにしろ」




今の今まで甲板にいて寝ていたであろうゾロが(存在に気付きませんでした)欝陶しそうに私達を睨みつけてきた。あー怖い怖い鬼より恐ろしい形相だこと。どうせ狸寝入りでもして私達の会話全部盗み聞きしてたんでしょうに。あー恐ろしや恐ろしや。ナムナム。




「ったくなんつー格好してんだお前ら…」


『え?』




そう若干引いたような顔をして言われ自分達の格好を今一度改めて見直してみた…ら、そりゃそうだ。何じゃこの格好!というか体制というか。




『………』




ルフィに両手で両足をこうもあれよとおおっぴらに広げられ私のそりゃもう恥気もない姿とそんな私のお股に顔を覗かせるルフィ。(正確には蚊に刺された内腿を見てるのだけれど)




「あ!ゾロも見てみろよナマエまた蚊に喰われてここ赤くなってんだ!」


「………」


『………』




そんなこといちいち眩しい笑顔で知らせんでいいわ。




END


(ナマエちゅわんvVおやつができた…よ…Σって!!んぬぉにしとるんじゃこの野蛮クソゴムてめぇ!!)


2010.10.06 来実
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