光を永遠にともに
□ACT.04
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ルフィ「あーー腹減ったーー」
『さっきからそればっか』
コビーと別れ、新しい仲間のゾロを乗せた船はゆっくり海を航海中である。
ゾロ「………大体お前らが航海術持ってねェってのはおかしいんじゃねェか?」
ルフィ「おかしくねェよ。漂流してたんだもん俺らは!」
ゾロ「威張んな」
『航海術は持ってないけど料理洗濯掃除裁縫は結構得意だよ!』
ゾロ「誰がんなこと聞いた!」
ルフィ「ナマエは昔からなんでもしてくれんだぞ!」
ゾロ「てめぇが威張ることじゃねェだろ!恥を知れ!」
『服が破れたら縫ってあげるから言ってね。私が元通りにしてあげる!』
ゾロ「………」
ニッコリ悪気なく笑うナマエに怒鳴る気もせずこめかみをピクピクさせあくまでもマイペースな二人にハァと溜め息をつく。
『ねぇー』
ゾロ「あ?」
『ロロノア・ゾロこそ海をさすらう賞金稼ぎじゃなかったの?』
ルフィ「そうだそうだ」
ゾロ「俺はそもそも賞金稼ぎだと名乗った覚えはねェ。ある男を探しにとりあえず海へ出たら自分の村へも帰れなくなっちまったんだ」
『(え、それって…)』
ゾロ「仕方ねェからその辺の海賊船を狙って生活費を稼いでた…それだけだ」
ルフィ「なんだお前迷子か」
『ぷっ』
核心をついたルフィに吹き出してしまう。
ゾロ「その言い方はよせ!!ナマエも笑ってんじゃねェ!!」
『だって…ぷくくっ』
チラチラとゾロの顔を横目に小さく体を揺らす。
ゾロ「チッ…全く…!」
図星だったのだろうか、心なしかほんのり顔が赤い。
ゾロ「航海もできねェなんて海賊が聞いて呆れるぜ!これじゃグランドラインも目指し様がねェ。早ェとこ"航海士"を仲間に入れるべきだな」
『うんそうだねー。じゃなきゃ私達グランドラインにいくまでに死んじゃうよー』
ゾロ「えらい軽いなおい…」
ルフィ「あと"コック"とさ"音楽家"とさァ…」
ゾロ「んなモンあとでいいんだよ!!」
『ペットも飼いたいよね。かわいいの』
ゾロ「ナメてんのか!!」
『だって海賊っていったって航海に癒しは必要だよ』
ゾロ「いらねェよんなもん!!」
ルフィ「そうだぞナマエ。かわいいペットなんて………ライオンを飼おう!」
ゾロ「てめぇもだ!!」
ルフィ「なんでだよー。ライオンは強くてかっこいいんだぞ!百獣の王なんだぞ!」
『やだよそんな怖いの』
ゾロ「いい加減にしろ!!遊びじゃねェんだ!!」
しかし…
「「腹減った」」
バタッバタッ
あまりの空腹にルフィとゾロはその場に大の字で倒れ込む。
『ちょっとー!どうしたの!?』
「「腹減った」」
『二人してそのだらしない格好は何ぃ!?もっとシャキっとしてよね!』
ルフィ「うべっ」
ゾロ「うぐっ」
そんな頼りない姿の二人のお腹をペチンと叩く。
グュルルル〜
応えるようにお腹の虫が鳴る。
『もう…』
バサッバサッバサッ
ゾロ「お。鳥だ」
『あ、ホントだぁ』
ルフィ「でけェなわりと…」
空を飛ぶ鳥が視界に入る。
ルフィ「食おう!!あの鳥っ」
『ええっ!?』
ゾロ「?どうやって…」
突然ルフィがとんでもないことを言って起き上がった。
それにつられるようにゾロも重い体を起こす。
ルフィ「俺が捕まえてくる!任せろ!!ゴムゴムの…」
『ちょっとルフィ…!』
ルフィ「ロケット!!!」
バシュン!
ゾロ「!」
『あ〜…もう〜…』
ナマエが止めに入ろうとしたときには時既に遅くルフィは上空の鳥に向かって勢いよく飛んでいった。