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□Sweets Time
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『やーんしやあせー!』
「うんめェー!」
楽しみにしてた午後3時のおやつの時間。コックさんにリクエストして作ってもらった和栗のモンブランを同じ甘党仲間のシャチと一緒に食堂で頬張る。
『ねぇ!明日はパンプキンプリンにしようよ』
「いや!紅芋タルトだろ」
今食べ始めたばかりで「モンブランなう」というのにもう明日のおやつの話。
『やだパンプキンプリン!』
「いいや紅芋タルト!」
『パンプキンプリン!』
「紅芋タルト!」
『パンプリ!』
「紅タル!」
━━バチバチバチ
「…で、さっきから何やってんですか船長は。」
シャチと同じ向かいに座るペンギンが呆れた表情で正面に座る私の隣にいる"ロ"が付く人を頬杖つきながら心無しか冷めた目で見る。
『ペンギンスルースルー!わざと今の今まで視界に入れないようにしてたのに触れちゃダメよ』
「いや、でも…」
そう言われても…と、目を閉じてさっきからずっとナマエの二の腕を指でつついたり揉んだり触って一人遊んでニヤニヤ気持ちが悪いだらしない顔を緩ませてる目の前の我が船長になんとも言えぬ気持ちになった。
「ナマエの二の腕は柔らかくて触り心地が良いな」
そしてここに来て"ロ"が付く人がやっと発した一言目の言葉がソレ。
『ちょっ…何それ!私の事デブって言いたいの!?』
「プニプニしてモチモチして最高だ」
『酷い…!私の事ブタって言いたいのね…!』
「実に気持ちいい」
『…もういい!ローにモンブラン一口もあげないんだから!』
「ムラムラしてきた」
「「(全然噛み合って会話になってない…)」」
『…はぁ?ムラ?え、ちょ、ロー?(急に勝手に発情されても困る)』
ていうかいい加減目開けてくれ。オープン・ザ・アイ。目瞑ったままそんな鼻の下伸ばした緩みきった顔面で喋り続けられてもキモイ。
「知ってるか?ナマエ。今俺が触ってる二の腕と胸の柔らかさは同じなんだぜ」
『え………、』
尚も私の二の腕を弄ぶように触りながら耳元に顔を近付けて低い声で囁いてくるロー。モンブランを食べる手が止まってしまった。
「マジかよ!うひょー俺もおっぱいとは言わねェから後で二の腕触らせてくれよナマエ!」
『は、はぁ!?ちょ、シャチまでふざけないでよ!』
生クリームを口の横に子供みたいにつけてキラキラ眩しい瞳でキャンキャン吠えてくるシャチ。
「殺すぞ。お前は自分の二の腕でも触ってろ」
「ヒィ…!」
二の腕を触るだけで命を消されるなんて笑えない。
「ナマエの二の腕を触る権利があるのは船長で彼氏であるこの俺だけだ。バラされてェのなら話は別だが」
「さーせん!!」
『(……アホだ、)』
「…………」
そんなローとシャチのやり取りを横目に心底呆れた表情のナマエといつものように溜め息を吐くペンギン。