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□憎き天敵
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『かーゆーい!』




ここ数日夏島を航海中だ。猛暑のせいで自然と肌を露出した格好をすることが多くなってしまう故とにかく毎日私の体のあらゆるところを憎き天敵「蚊」とかいう奴に刺されてかゆいったらありゃしない。(そんな今日もタンクトップにショートパンツだけれど)




「どうしたんだ?ナマエ」


『かゆいのよ!もうただでさえ暑くてイライラしてるってのにこう毎日何度も同じこと言わせないで!』




私の憎き雄叫びを聞いてルフィがこうしてやって来るのももはやここ最近の日課である。


100%私の八つ当たりだけど、かゆいから許してね。




おい




「また喰われたのか?」


『本日ふくらはぎ3ヶ所、腕2ヶ所、既にやられたわ…もういや…!』


「なんでナマエばっか毎日喰われんだァ?俺1個も喰われねェのに」


『あんた自体"ゴム"だからじゃない?もはや普通の人間の体じゃないもん』


「しっしっし」


『言っとくけど褒めてないから!』




何故嬉しそうにそんなキラキラした顔で私を見る。むしろけなしたんだが。




「ナマエの血ってうめェんだろ?」


『まぁ奴ら(蚊)からしたらそうなんでしょうけどでもそんなの私からしたら全然嬉しくないしむしろ迷惑よ!大・迷・惑!』


「でもナマエの血は"しんせいなるうるわしきめぐみの血"だって言ってだぞ」


『何それ誰がよ』




まあ120%の確率でおおよそ検討はつくものの…




「サンジ」




…やっぱりね。こんなどうでもいいアホなことを言うバカは彼しかいない。




「そうなのか?」


『は?』


「しんせいなるうるわしきめぐ…」


『んなわけあるか!"神聖なる麗しき恵みの血"だかなんだか知らないけどあんた達と同じ普通の血よ!』




サンジくんは私の血液事情の一体何を知ってると言うのだ。まさか彼は実は吸血鬼なんじゃ…バンパイヤサンジくん…やだどうしよ普通にありえそうで逆にリアル!サンジくんに生き血を吸われちゃう…!うわっこわっバンパイヤサンジくんこわっ助けてヘルプミー。
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