短編小説

□言いたいのに言えない。
2ページ/14ページ

「んっ!!」


私、黒波優歌!!失恋真っ最中の女の子!!


「んっ。眠っ!!」


今日は中学校の入学式的な。


ピロロロ♪

私の携帯がなりました!!


一緒に行こう!!ってメールがきました。
やっぱり行くんでしょ?一人で行くの嫌だし。

『うん。いいよ\(^o^)/』


返信した。


ーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぉ!!いっぱい!!」


私たちは予定の時刻より20分くらい早くきたのに、もう校舎前はいっぱい。


「クラス発表だ!!」

「いこいこ!!」


早い時間に貼り出されたクラスの表に目を向ける。


「あっ••••••。」


隣の友達が呟く。


「私1組だ。」

「えぇ!?クラス違うじゃん!」


マジかっと思いながら、2組の表を見る。
が、待たないし。


「3組かよ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーー
『であるからして・・・この中学校は』


長い!!長いよハゲ。早くしろよハゲ。


「じゃあ入学式は終了いたします。」


おっおわったぁぁ


「続いて・・・」


まだあんの!?

20分後

「では教室へ移動して下さい。」

「のわぁ!!終わったぜ!!」

「優歌ほとんど下向いてたじゃん。」

「あはは。」


このショートカットのメガネの女の子は友達の藤谷由紀(ふじいゆき)


「やばい。眠い。」


私の近い席でもたれかかっている、セミロングの女の子は小山美香(こやまみか)。


「めっさ遠いな愛。」

「うん。」


このまたセミロングの女の子は伊川愛(いかわあい)


ガラッ!


「はい席つくぅ。」

「へーい。」


先生が入ってきた。名簿番号順に並ばれた席。私の前の男の子はとっても身長が高く、ガタイもでかい。つまり

見えない!!ダメだ見えない!!


「27番!!黒波優歌!!」

「あっはい!!」

「返事が遅い!!」

「すいません。」


はぁ。なんだろぉぉ!!疲れたぁぁ!!
私は机にペタンと倒れこむ


「じゃあ、教科書を配ります。」


あっ。そっか、教科書。
ウトウトしてたら、

ドスッ!


「痛い!!なにすんのさぁ!!」

「寝んな。」

「目覚めたけど、起こし方ってもんを考えてよね。たかはっちゃん。変な音したよ。」

「あっそ。早く教科書回せ。」

「わかった。」



ドッスン。


「何してんの?」

「ねぇ。たかはっちゃん。」

「んっ?」

「この教科書。片手で持ってたよね?」

「あぁ。」

「重い。この教科書おもいよぉ!?」

「うるせぇなぁもう。」


ヒョイっと三冊くらいの教科書を持って、回す。


「はい。」


私に手を差し出す。


「なに?」

「教科書。半分持つ。」

「えっ////いいよ////」

「持つ。俺の家とお前の家。近いし、持ってく。」

「あっ///ありがと。」

「んっ。」


優しいな。たかはっちゃん。


「んじゃ。体育館にいくよ。」


へっ?なぜに?


「写真撮影しますから。」


あっ。そう言うことか。
トタトタと体育館に向かう。


はーい!!来ましたぁぁ!!
M字型身長差!!たかはっちゃんは、160cmいってるし。たかはっちゃんの反対側の隣はしらない人だけど、身長高いし。
150cmいってない私は本当にチビ。


「はい。撮るよぉぉ。」


ピッ!!
フラーッシュ!!!
目がぁぁ!!目がぁぁ!!
もはやムスカ状態。


「はい。もう一枚ね。」


マジかよ。またムスカに・・
パシャ!!

ぎゃあああああああ!!
目がぁぁぁぁ!!


「ちょ。黒波。」

「なにさぁ、たかはっちゃん。」

「顔やばい。」

「へっ?」


なにをいっとるんだこの。


「はい。次は1組とるから。おりましょう。」


うっさいなこいつ。うわぁ。こいつもハゲやし。


「おい。黒波。」

「んっ?どったの?」

「新川。」

「ふぇ?」


1組の列を見渡す。新川。それは私の失恋相手。


「新川〜!!」
「ちょ!!たかはっちゃん!!」

「おぉ。ゆうき。」


ひぃぃぃぃ!!


「どうした?」

「別に意味はない。」

「なら呼ぶな(笑)」


そう言った新川は私に見向きもせず歩いた。


「おい。黒波。」

「・・・・。」


なによ無視しやがって!!ムカつくな💢


「黒波!!」


ほんとムカつくな殺したりしたらだめかな💢


「優歌!!」

「はい!!」

「お前は1組か!?」

「ふぇ?」


3組の皆はすでに台の上から降りていた。


「のわぁ!!」


慌てて降りると、ズベッ!!


「ふぇ!?」


こ〜け〜る〜!!
ガシッ!!


「いっ!!たくない・・・?」

「大丈夫かブス。」

「げっ。基山。」

「助けたのにその顔かよ。」

「わぁ助かった。本当にありがとう。基山くん(棒読み)」

「なんだと!?ブス!!」

「女の子に対して、ブスとはなんだ!!」

「お前女だったのかよ!!」

「失敬な!!」


このウザい男子の名前は、基山光輝。ケンカ仲間。何かあったときには、助けてくれるくせに、言葉遣いがあらいから嫌い。


「仲いいなあそこ。」

「あぁ。黒波と基山?」

「知ってんのか。」

「知ってるもなにも、おんなじ学校だし。」

「そっか。」

「新川もさっき話してたけど。知り合いか?」

「どっち?」

「女の子の方。」

「黒波?」

「あぁ。」

「ただのケンカ仲間だよ。」

「へぇ。」


そう。私は新川にとって、ただの。


  ケンカ仲間。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ