『時空神子シリーズ』―華乱
□冥王には秘密事…
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―冥界・フォルテッシモ邸・書斎部屋
何重も重なる資料があるのに、一向として手を付けていないギオン。
その様子を蹄世を含め、もう一人が呆れた表情をしていた。末息子である盈華が冥界を出て行って一週間経つ。
余程、ショックだったのは解るが。いい加減に仕事をやって欲しい。
机に置かれている資料は完全に置物となっている。
「うわぁ、暗っ…」
部屋に入って来たのは蹄哉だった。
机に肘を付いて上の空の父親を見るなり、口を開く。
「蹄哉…入ってきて…その第一声はどうかと思うよ?」
「正直なだけだよ。仕事ほったらかしにして、しんみりとショックな気持ちを味わってるよりはマシだと思うけど?」
「確かに。蹄哉が言う通りですね。末羅王が居ないと…ずっと…こんな感じで…私も呆れています」