『時空神子シリーズ』―華乱
□夜薔薇の華、乱れし時夜…
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―冥界・センディーダ邸・浴場
ローマの城を思い描かす浴場は白が統一されており、ライオンの銅像からお湯が流れていた。
レテの川からセンディーダ邸に連れて来られた盈華。カイラの体を考え、一緒にお風呂を入ったまではいい。
「カ、カイラさん…」
「何だ?」
「そ、その…体勢的におかしいかと…」
顔を赤らめ、盈華はカイラに言う。
視線と視線が合い、互いの息がかかる位置。体勢的に対面になっている。
「別におかしくはない…」
さわさわと腰を撫で回す。
「…ぁっ」
「どうした?」
「…っ、カイラさんの意地悪」
妙な手つきで腰を撫で回すもんだから、盈華は立つのが必死だった。
逃げ回った事は悪いと思っているし、レテの川へ流そうとしたのも反省している。