『時空神子シリーズ』―華乱
□説明
3ページ/8ページ
【風羅side】
流石、漆夜様。
璃羅の性質をよく理解してらっしゃる。
私は会話を聞きながら、コクコクと一人頷いていた。
「盈華が試練の渦の中かも知れないと、俺も思い。これは好機だと少なからず…思った訳で。何も璃羅を責めるつもりはないよ。羅淡が『盈華に想い人は居るのですか?』って聞かれた時、正直引っかかっていたしね」
「末羅叔父様…」
「風羅も璃羅もよくやってくれたよ。実は、パーティーの時…盈華が逃げ出した理由は他にあるんじゃないかと考えて…色々と思惟していたんだよ。盈華が下界へ降りたなら、本人が気がすむまで悩み続ければいい。応えが見つかったら、帰って来てくれさえすれば…良いと…」
末羅叔父様はテーブルに湯呑みを置いた。