『時空神子シリーズ』―華乱
□説明
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顔を真っ赤にする璃羅は漆夜を睨む。
血筋的に似てしまう事は多々ある。向かいに座っている末羅だって人の事は言えた義理ではない。
事情がある中、既に盈華を腹に宿していたのだから。
「俺も…この前初めて知ったぞ。神艸に双子の弟が居ると…」
「ふ、双子?」
「流石は璃羅譲りの容姿だ。性格も璃羅譲りだな…あれは」
ちらりと、艸波の様子を伺う。
肩をがっくりと落とし、話す気力すら無いらしい。
「い、言っておきますけど…今回の件が済んだら…ちゃんと公にしようと思っていたんですからね!ただ、楽しいゲームをしていた訳では無いんですから…」
「楽しいゲームね。実の息子と甥っ子を自分の娯楽に使っちゃ…」
「ですから、我は盈華と冥界政府官房長官を結びつけようとしただけです!」
ムスッと拗ねた表情で璃羅は彼に言う。
『面白そう』で、ややこしい事には首を突っ込まない主義の璃羅。理由があったからこそ糸を垂らしただけ。