『時空神子シリーズ』―華乱
□想いは…花弁へ、空へ、君の心へ。
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兎も角、風羅の中では出来上がった偶像。
方程式まで完成している。
『神艸+ド変態×黄泉の國の番人=撲滅』と。
「納得出来てしまう…我って何だろう…」
床にガクリっと座り込む璃羅。
普通なら理解に苦しむ事なのだろう。実の息子の事を言われているのだから。
が、兄に言われて気付いた。
神艸の第一印象は噂兼々で、とてもじゃないが否定出来ない。
「…諦めろ」
「…」
「そ、それより…盈華皇子には…まだやる事があると言っていましたが…」
艸波は思い出したかの様に、盈華の話題へ切り替える。
「試練は乗り越えられた事は素直に褒めます。だけど、彼自身の問題は片付いていないんですよ…」
黒燿石色の瞳が慈悲の色を醸し出す。
自分達も事情を知らなければ言う義理は無い。少なからず、関わってしまい、事情を知ったからこそ見過ごせない問題。