『時空神子シリーズ』―華乱

□苦心の涙は、親心。
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璃羅さんと僕を重ねているのだろう。


「言葉はね…口にしないと伝わらないんだよ。誰が何を思い、何を言いたいかなんて神でも解らない時はあるんだよ。尚更、自分と血が繋がっているなら余計。それ程…血は複雑なんだ。主張ぐらい…はっきりと口でしなっ…」


愛する科白も、傷付ける科白も、励ます科白も。

紡ぐ為にあるんだよ。

表現するには口しかないんだ。


甘い言葉、罵倒する言葉、慰める言葉…

全部…

口で言うしか伝わらない。


「…っ、ぐ」


力強く、手をギュッと握っているのが見える。僕は再び深呼吸をした。


「後は……貴方次第じゃない」


「…」


「悔しいならさ…璃羅さん達を前にして言いなよ。親はね…案外…子供の本音を聞いてみたいもんだよ。今まで隠してきた本音を吐くには好機だと思う…」


「聞いてくれるでしょうか。あの二人は…似た者同士なんです。私が反感などしたら、次は何を課すか解りません…」


似た者同士…

あながち間違ってはいない気がする。
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