『時空神子シリーズ』―華乱

□苦心の涙は、親心。
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気を取り直し、僕は深呼吸をする。

金色の双眸が不安さを表しながらも真っ直ぐと映している。


「悔しいなら、這い上がっておいでよ!もっと足掻いてみなよっ。それでも、楠野帝の御曹司?」


彼に一番効く科白など、ハッキリ言って解らない。
だけど、璃羅さんなら?と考えた時。一切甘えすら許さないお方だからこその罵倒だと思った。

息子にも容赦なく刺すハズ。

傷みを、悲しみを、憤怒を…


親だからこそ。

璃羅さんが、彼の“母親”だから。


「ソナタが何時までも殻に籠ったままだから……“生半可”なんて言われるんだ。ただ、言葉に傷付き、言い返す事も出来ない。たまには…反論してみろよ!!!真っ正面から突っかってこいっ」


「…はは…ぅ…ぇ…」


小さな声で『母上』と言ったのが耳に届いた。
全身を震わし、目を大きく開きながら。一点の場所を見つめていた。
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