『時空神子シリーズ』―華乱
□苦心の涙は、親心。
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璃羅さんも黄泉の国の王も敢えて甘えかさない様にしたんだ。
兄弟同士の争いを快く思っていないから。互いが傷付け合うのを目に入れたくないから。
優しさの中にも厳しさは存在する。
例え、嫌われようと貫き通しているのが優しさだと僕は思う。
「もう…いいんじゃない？逸らしてきた事から目を向けても。貴方は向き合うべきだよ。ちゃんとした理由がソコに在るのだから…」
僕でも向き合えたんだ。
貴方にだって出来る。
無知だった幼い頃の貴方は、確かに掟を破ったかも知れない。
父親に怒られると解りながらも。
一つの命を、息吹を…
小さな手で包んだんでしょう？
その時、何を感じた？
ソノ瞬間…
“己”は…
「――…涙を沢山、流しましたか？」
「…っ、ぅっ」