『時空神子シリーズ』―華乱

□途絶えない記憶の深くに幼き君を。
2ページ/3ページ

まだ、鮮明な記憶として残っている。私が六歳の頃。

“童神は成長するまで大人元を離れてはいけない。”

何処の国でも条件は同じで、特に黄泉の国では外出禁止。規則を破った者は例え実の子だとしても重たい罰が義務付けられている。

だから、私は外の世界に憧れを抱いていた。


『母上?外の世界とは、どんな感じですか?』


『此処より、世界観が違うと言えばいいのかな。大人の儀式を受けたら神艸も外の世界を瞳に映せば思うよ。『あぁ、何て美しい世界なんだろう』って…』


母上が初めて優しく接してくれた日。
余計、外の世界に行きたくなった。母上が言う感動する場に遭遇してみたくなった。

いけないと頭で解っていても、子供とは好奇心旺盛。


『知識すら無知な子供が、外に出たら危険性が増えるとは思わなかったのか!猿でも解るぞっ…』


『…ごめ…ん…なさ…ぃっ…』
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ