『時空神子シリーズ』―華乱
□変わりゆく、時空の薔薇
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【神艸side】
彼は凄いと思う。
前よりはるかに今が輝いて見える。私には無い物を秘めている感じがして…
諦めたくない…
諦めたりなんか出来ない。
『貴方は何処の誰の息子?僕は、冥王ギオンと誘いの王との間に生を成し遂げた末息子。自分に自信なくっても、これだけははっきり言えるよ!冥界王族…フォルテシッモの名に掛けてね… 』
そう呟いた盈華の瞳は、母親である末羅と同じだった。
何かを強く決意した時に見せる瞳。
私とは違う…
全て、全て。
違いがありすぎる。
欲とはこいゆうのを言うのだろうか。
彼が、盈華が、欲しい。
しかし…
彼を手に入れて私は変われるだろうか。胸張って、自分は黄泉の国の王である父親の御子と誇れるのだろか。