『時空神子シリーズ』―華乱

□変わりゆく、時空の薔薇
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――黄泉の国・楠野邸・試練の間


「盈華は……勇気ありますね」


独り言の様に呟いた科白は無論、左皿に居る盈華自身の耳に聞こえていた。
先の事など行動してみなければ、解らない状態だったりする。神の世界にいる以上、自分が神である以上、一つずつ知らなければいけないのではないだろうか。

大人の神に揉まれ、童神は成長していく。
自分達を置き換えたら。とてもじゃないが、付いていけない気がする。
未熟で、浅く、辿々しく思えてしまうだろう。

否、呆れて言葉すら出ないかも知れない。


「そうでもないよ。勇気を振り絞るのって、凄く恐怖なんだ。魂を造ってくれた両親を誇りに思い、尊敬している。父様の後を継げるのか、正直戸惑っている…でも…璃羅さんみたいに胸が張れたらなって……そしたら…心も晴れるのにとか思っている自分が此処に居るんだ…」
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