『時空神子シリーズ』―華乱

□華びら舞う、時空の悠久(前編)
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―冥界・センディーダ邸・書斎部屋


「――…誰だっ」


研ぎ澄まされた鋭い眼光で睨みを利かすカイラ。
用心深いと噂で聞いていたが、洞察力が人一倍凄いのは長年生きている賜物だろう。
そんな事を考えながら、クスッと口元が上がる。


「お初目にかかります。カイラ卿…」


ワインレッド色の髪を揺らしながら、カイラの座る書斎机まで歩み寄っていく。


「…」


「あぁ、名が先でしたね。なにせ…名を名乗らなくっても雰囲気で察してもらえ。という…親ですから…つい忘れていました」


「…俺の知る中にソナタみたいな御子を持っている者は居ないが?」


「最初は誰でも言います。僕は、兄と同じで世間の公になっていないので…」


彼の話し方は、まるで自分の中を探られている感じがし。カイラは警戒心を解く事をしなかった。
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