『時空神子シリーズ』―華乱

□華びら舞う、時空の悠久(前編)
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璃羅に貸しが出来てしまった。

兄弟とはいえ、貸し借りに関してはセコい弟。貸した分は利子を付けて返すのが、璃羅の法則だ。

つまり…

盈を天神界に戻す為の貸しを何時の間にか作ってしまった訳であり、その代償は体で払えって事に違いない。

璃羅だもんなぁ…

早々簡単に片付ける筈がない。


「璃羅さんからコンタクトがありました。『悔しいなら…戻っておいで。我の目の前で今の気持ちを吐きにおいで…もし、ここで抑えて逃げたら負けだよ…盈…』と…」


ハハハっ…

璃羅。

随分と大きな借りを作ってしまったようだ。

さて、どうやって払えば良いんだ。私…


「…璃羅が、ねぇ」


「ぼ、僕…璃羅さんに言われて初めて気付きました。このままでは引き下がれない気がして…その…負けとか言われたら余計に…」


要するに闘争心を掻き立てた訳か。

本来、盈自身にある心を…
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